いざ、独立して、サロンを開業しようと思った時に、「マンション」という選択肢は皆さんも一度は検討されたことがあるかもしれません。
さて、マンションサロンの場合、通常の店舗型サロン経営とはどういった違いがあるのでしょうか?
今回は、マンションサロンとテナントサロンのメリット・デメリットについてまとめていきます。

1.マンションサロンとテナントサロンの違いとは?

まず、「マンション型サロン」と「テナントサロン」の違いについて知っていかなければなりません。
マンションサロンとテナントサロンは、「立地」「コスト」「集客」に大きな違いがあります。

1-1.マンションサロン

マンションの一室を借り入れて、サロンとして営業していく店舗形態です。
自宅をサロンとして扱うのか、サロンのためにマンションを借りるのか、という形に分かれます。
物件を探す場合に、店舗として探す必要がないため、大きなコスト削減になります。
個人で経営をしていく場合には、従業員を雇う必要もないため、店舗にスペースを必要としません。

マンションに店舗を構えることになるので、新規顧客を集客することが難しくなりますが、リピーターとなってくれる可能性は高いです。
私たちと顧客の距離が近くなることによって、深い関係を築きやすくなっていくことも大きな要因です。

1-2.テナントサロン

店舗用に物件を借り入れて、サロンとして営業していく店舗形態です。
基本的に美容サロンを経営する場合には、テナントサロンの形を選択していくことになります。
店舗用の物件を選ぶことになりますので、マンションサロンよりコストが高くなってしまいます。

しかし、立地的に新規顧客を集客しやすくなっており、多くの顧客が利用してくれる可能性が高いです。
安定した利益を見込みやすく、企業として店舗を構えるため、融資の審査にも通りやすくなっています。

また、従業員の指導のために豊富な技術と知識を持っていなければなりません。
顧客の回転率が速い場合には、顧客との関係性を強く保つことができず、リピーターを生み出すことが難しくなってきます。

2.マンションサロンとテナントサロンのメリットとデメリットとは?

それでは具体的にこの2タイプの店舗形態の特徴を紹介いたします。

2-1.マンションサロンのメリット

テナントや路面店とマンションでのサロン運営の違いといえば、まずは、コストを大きく抑えられることです。

店舗としては家賃がかなり安くなるので、毎月の費用が抑えられます。
また、大半は賃貸になり、サロンの内装費を掛けずに済みますので、初期投資を抑えることも可能で、さらに言うと電気代も抑えられます。

実際に運営をしてみると、テナントサロンの場合には、業務用のエアコンが取り付けられているため、家庭用エアコンと比べると電気代が格段に掛かってしまいます。
さらに、照明もかなりの数を使用しているので、かなりの電気代を消費することとなります。
マンションサロンの場合には、初期費用、ランニングコスト、どちらも格段に抑えることができます。

また、エステサロンやネイルサロンでは、「ひざ掛け」「タオル」などを多く使用することになります。
美容サロンでは、これらを使用した場合、クリーニングに出す事になります。
しかし、マンションサロンの場合には、洗濯機を利用することができるため、こちらも費用を抑えることができます。
(もちろんテナントによっては洗濯機設置ができる物件もあります。)
総合的なコストが、非常に抑えられることがマンションサロンのメリットとなります。

2-2.マンションサロンのデメリット

顧客の集客がしにくくなることが最大のデメリットです。
マンションサロンの場合には、看板を設置することが難しくなるため、集客方法が狭まってしまいます。
雑誌に掲載することで、顧客を集めることはできますが、店舗の宣伝を行うためのコストがテナントサロンより掛かってしまいます。

また、マンションサロンの場合には、どうしても生活感が出てきてしまうこともデメリットとなります。
顧客にとっては居心地の良い空間となる場合もありますが、お店としての雰囲気を演出することが出来ないため、顧客に不安感を与えてしまう可能性があります。
閉鎖的な空間のマンションサロンは、
どうしても新規のお客様にとっては心理的にも立地の分かりづらさから言っても、来店のハードルが高くなってしまうことは想像に難くありません。

もちろん、既存の顧客にとって居心地の良い空間を提供できた場合には、
より深い関係性が築けるため、確実なリピーターとして定着してくださると言う利点もありますが、
売上のための新規顧客を獲得する面の懸念点は必ず念頭に置いておかなければならないでしょう。

更に、サロンを行うことを許可していないマンションも多いため、物件探しをすることに時間が掛かってしまう場合があります。

特にネイルサロンの場合だと「スカルプネイル」によるニオイが、近隣住民の迷惑となってしまうことがあるためです。

以上のように、「集客方法」や「店舗としての条件」が厳しくなってしまうことが
マンションサロンのデメリットとなります。

2-3.テナントサロンのメリット

テナント型のサロンのメリットは、やはり好条件の立地に店舗を構えられるため、高い集客率が見込めます。
テナントサロンの場合には、多くの宣伝方法を使用できますので、新規顧客を獲得しやすくなっています。

外観のレイアウトを整えてあげるだけでオシャレなサロンを演出できますし、看板を設置することがで、近くを通った人に大きな宣伝効果を与えることができます。
外観だけではなく、内装もこだわることができるので、高級感のある店舗作りを行えることもメリットです。

やはり生活感のあるマンションサロンより、顧客が安心して利用しやすくなっています。
さらに、高級感を演出できれば、多少価格設定を高くすることができます。
これにより、マンションサロンと比べると、一人あたりの顧客単価が高くなります。

このように、「豊富な集客方法と宣伝効果」がテナントサロンの大きなメリットと言えます!

2-4.テナントサロンのデメリット

テナント型の場合、マンションや自宅での店舗と比較すると、好条件な物質を選ぶという事は、店舗を開業するためのコストが高くなってしまいます。
当然ですが、毎月、固定でテナントの賃料を取られることになるため、
マンションサロンより初期費用も運営コストも高くなってしまいます。

さらには、物件選びに時間が掛かることもデメリットです。
これは好条件な物件がない場合には、立地の良い物件が空くまで待つか、少し条件を落とした物件を選ばなければならないためです。
実際に私たちも多方面にネットワークを常に張り巡らせ、情報を得ているので、急ピッチでの物件探しや店舗展開が可能となっていますが、多くのサロンの場合はそうではありません。
不動産によっても得意とするエリアや条件が本当に様々ですし、良い条件の物件は資金力やコネクションがある企業にすぐ押さえられてしまいます。
地道に不動産を当たっていくのも良いですが、思った以上に時間もかかり、骨が折れてしまうことでしょう。

また、テナントサロンを選ぶ場合には、初期投資や運用コストがかかるということで、毎月、大きなコストに負けない利益を生んでいかなければならないため、中途半端な物件を選ぶことができません。

当たり前ですが、条件の良い物件を選んだ場合にも、確実に利益を生み出せる保証はありません。
マンションと比較した際に、あらゆるコストが高くなってしまうことがテナントサロンのデメリットとなります。

3.経営方針によって店舗形態を選ぶことが大切!

マンションサロンとテナントサロンを選択する際には、最初にどういった経営を行っていくかを考えることが大切です。
もちろん、予算的に厳しく、マンションサロンしか経営できないといった場合もあるでしょう。
しかし、最終的にどの様なサロンを作っていきたいかで形態を選ばなければなりません。
従業員を雇い、大きなサロンを作っていきたいのなら、どうにかして資金調達を行い、テナントサロンを選択していくべきでしょう。
従業員を雇わずに、ゆっくり個人店として経営をして行きたいのなら、マンションサロンを選択するのでも良いと思います。

マンションサロンとテナントサロンのメリット・デメリットを把握した上で、
自分に合った店舗形態を選んでいきましょう!

4.まとめ

いかがでしたか?

サロンを経営していく場合には、最終的にどういったサロンにしたいかで、マンションサロンとテナントサロンを使い分ける事が大切です。
もちろん予算の関係で、マンションサロンからスタートするという選択肢も入ってきます。

しかし、マンションサロンで経営を行ってしまうと、後々テナントサロンとしてスタートするために、一からノウハウを得て、準備をして行かなければなりません。

それぞれのメリット・デメリットについて考えた上で、適切な店舗形態を選ぶことが大切です。

ここまでお読みいただき、資金や物件について、もし何か疑問点や不安、ご相談等ございましたら、
お力になれるかもしれませんので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
みなさんの経営方針に合った店舗形態を考えるために、
マンションサロンとテナントサロンのメリット・デメリットを把握して、良いサロンを作っていきましょう!