美容サロンを開業しようとする時に一番頭を悩ませるのは「どこにお店を出すか」という点じゃないでしょうか?我々も1店舗目開業から9か月で3店舗をオープンしましたが(2017年10月現在)毎回、立地には細心の注意を払って決断をしました。
。もちろん3店舗オープンする為にはその何十倍にもなる物件をたくさん見てきましたので、いい物件もそうでない物件もたくさん出会ってきました。
そんな自分たちの経験から、美容サロンの立地選択の8つのポイントをご紹介します。
目次
1, 立地選択の重要性
立地と物件の選択は非常に重要です。
なぜなら、サロンを経営するにあたって唯一「後で変更ができないもの」だからです。
メニューや価格、スタッフの求人や、内装は後からでもやり直すことがいくらでもできます。ですが、立地と物件は一度始めてしまったら変更ができません。後から、「こんなはずじゃなかった…」と後悔することの無いように、周りの成功をしているサロンの経験を聞き、足繁くいろんな物件を見に行って、なるべく「正解」に近い判断をできるようにしましょう。
2, 立地と物件選択のポイント
ではここから、立地と物件を選択する際のポイントについて説明していきます。
まずは、現地に行かなくても事前にスマホで調べることができる項目を紹介します。内見に行く前に調べておきましょう。
2-1, 駅の乗車人数
どれくらいの人がその駅を利用しているのかという数字です。
人数が多ければ多いほど、お客様になりうる方が沢山いるということでもあります。
日本で1番乗車人数の多い駅であるJR新宿駅は1日あたり約77万人の乗車人数です。みなさんがよくご存知のJR渋谷駅は1日37万人、JR横浜駅は1日41万人です。
どのくらいの売上を目指すサロンにするかという目標次第でもありますが、スタッフを3~4人ほど雇って経営をするのであれば、乗車人数は最低でも5~6万人ほどは必要だと思います。
乗車人数はこちらのサイトを参考にしてください。
>JR各駅の乗車人数
http://www.jreast.co.jp/passenger/
>メトロ各駅の乗車人数http://www.tokyometro.jp/corporate/enterprise/passenger_rail/transportation/passengers/index.html
2-1-1, 出口と改札の数も大切
例えば、乗降客数は3万人で、出口が1つしかない駅の改札近くに開業することと、乗降客数は5万人いるけど、出口が4つに分かれている駅の改札近くに開業することはどちらの方が多くの客様に来店して頂けそうでしょうか?前者は3万人全ての人にサロンを知ってもらえそうですが、後者は出口がたくさんあるため、開業した近くの改札を使う方にしか見つけてもらえなさそうです。このような駅の場合は、単純に乗降客数ではなく、どこの出口が賑わっているか、ということも立地選択の上で大切です。
2-1-2, 駅の伸び代
乗車人数が伸びているのか、落ちてきているのかを確認することも大切です。
大きな商業施設が1つできるだけで大きく乗車人数が変化したりしますので、今どういう傾向にあるのかも調べておきましょう。どれくらい伸びているのか、という点に関しても上記のサイトで調べることができます。
2-2, 駅からの距離
目当ての物件が駅からどれくらいの距離にあるのかも非常に大切です。
あなたがお客様の立場になってみて、徒歩10分以上のサロンを選びたいと思いますか?中々難しいと思いますので、駅から7分以内くらいで探すようにしましょう。参考までに当社のサロンは全て駅から徒歩4分以内に位置しています。
2-2-1, 地図で見た時に行きやすそうか
ホットペッパービューティーの店舗情報では、かなり目立つ箇所に地図(google map)が表示されます。実際の駅からの距離も大切ですが、「行きやすそうか」という感覚的な視点も大切です。「ロータリーの真向かいにある」「駅からまっすぐ一本道」など分かりやすい立地だとお客様も安心ですが、入り組んでいる路地にあったり、目印となる建物がないような立地の場合には、避けられてしまいます。
2-3, 坪単価と家賃
美容サロンの家賃相場は、「3日分の売上」が目安です。
つまり、家賃12万円のところに開業するのであれば、1日の売上が4万円はあると経営が安定します。
例えば家賃20万円の物件に開業をするのであれば、1日の売上は約7万円必要となりますが、メニューの金額が6000円だとすると、1日に12人のお客様を施術しないといけません。当然スタッフ1人体制では不可能です。2人〜3人いれば可能な数字ですので、20万円の立地に開業するのであれば3つは必ず施術面を用意できるところにしなければなりません。
3日分の売上で家賃が回収できないような立地の場合には、お客様にもっと喜んでいただけるような価値をつけて値段を上げるか、不必要な経費を削減して、経営に悪影響が出ないようにする工夫が大切です。
2-4, どんなお客様が利用する駅/立地か
その駅や立地にどんな方が多いのか分析する事で、開業しようとしているサロンのテイスト/イメージや営業時間が適切か調べる事ができます。
・昼間に人が多いのか、夜間に人が多いのか
→営業時間とスタッフのシフトに関わります。夜の街が近くにある繁華街の場合、夜10時を過ぎてもお客様が来店される事も多いです。
・平日に人が多いのか、休日に人が多いのか
→これもその立地の特色が大きく現れます。平日のシフトを厚くするのか、休日のシフトを増やすのか。
・遊びに来ている人が多いのか、仕事で来ている人が多いのか
→来店される時間、事前に予約を入れてくれるかといった点にも大きく関わりますし、特にネイルサロンの場合には、選ばれるメニューにも偏りが生まれます。
2-5, 競合のサロンはどうか
同じ立地でライバルになるサロンの情報もしっかりと把握しておきましょう。
・競合のサロンの数
・競合のサロンの特徴
・ホットペッパービューティーの口コミの数
など外からでも手に入れられる有益な情報は沢山あります。
また、ホットペッパービューティーで、スタッフの数が多く施術可能な面が沢山あるにもかかわらず予約が埋まっているサロンは「非常に上手くいっている」可能性が高いです。
そのお店がどんなメニューを、いくらでやっていて、どんなサービスをしているのか調べ、それよりもさらに良いサロンを開業することが出来れば大成功する可能性があるということの裏付けでもあります。
(↑写真:ネイルサロンでスタッフ数6名は大型のお店。その上予約もかなり埋まっており、おそらくかなりの売上を上げているお店だと思われる。)
2-6, その立地のホットペッパービューティー(HPB)のプランを確認
ホットペッパービューティーには掲載のプランがあります。
基本的には、高い掲載費用のプランに申し込むと掲載順位が上の方に来ます。いくらのプランにすると上の方に来るかどうかは、そのエリアと他の競合店舗に寄りますので、ホットペッパービューティーのエリア担当者の方に事前に相談をする必要があります。
当社のサロンは全てホットペッパービューティーをエリア検索した際に1ページ目に来ていますが、その費用は月額35万円、43万円、12万円と店舗ごとに様々です。
必ずしも高いプランのお金を払って1ページ目に表示をさせる必要はありません。
逆にスタッフの人数が少ない時には、いくらHPBで上位に表示をさせ集客をしても予約が空いてないから取れないというもったいない状況になってしまいます。
エリアにもよりますが目安としては、スタッフ数が5名くらいいる場合には、なるべく上位で表示をさせることを意識しましょう。
今やホットペッパービューティーは新規のお客様を集客するには欠かせないツールです。
掲載費用が高めなこともあって、ホットペッパービューティーに対してはいろいろと批判的な発言も多く聞きますが、上手に付き合っていくことが大切だと我々は思います。
2-7, 実際に丸一日その立地周辺で過ごしてみよう!
良さそうな立地が見つかったら、実際に自分で丸一日その場所近くで過ごしみることが何よりも大切です。
・どんな人たちが街を歩いているのか。
・ライバルになりそうなサロンにはどんなお客様が、何人くらい来店しているのか。
この2点を自分の目でしっかりと確かめてみてください。
2-8, 全てをまとめて考えてみる
ここまで美容サロン開業の立地選択に関して、いろいろなポイントをご紹介してきましたが、「すべてが完璧な立地」は存在しません。大きな駅の近くに出店をする場合には、家賃が大幅に高くなるケースがほとんどですし、逆に穴場となる立地にはすでにライバルになるサロンがたくさんあることも多いです。1つ1つのポイントを自分なりに点数化してみて、どの立地がいいのか、経営がうまくいきそうなイメージがあるか、総合的に判断をしてみてください。
3, まとめ
自分たちも、サロンを開業するときの立地には頭を悩ませてきました。
ですが、美容室であれ、ネイルサロンであれ、アイラッシュアロンであれ、考え方は上記の8つです。自分のサロンに最適な立地が見つかるといいですね。