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ネイルサロンの開業に資金はいくら必要?実際にかかった資金を公開

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自分のネイルサロンをオープンしたい!という夢を持っている方とよくお会いしますが、開業や経営にかかる資金について、正しい情報を持っていない方が多いように思います。

当社は、誰もが知っている大きな駅近くに大型のネイルサロンを開業したこともあれば、比較的小さな駅に、こじんまりしたネイルサロンを開業したこともあるため、「開業と経営にどれくらいの資金が必要なのか」そして、「どうやってその資金を準備するのか」という2点をご説明させていただきます。

1, 物件を借りるために必要な費用

開業にあたり、まず最初に必要な資金は、「物件を借りるための費用」です。

物件を借りる際には大きく分けて、以下の4点が必要です。

・保証金(敷金とも呼びます)
・礼金
・不動産会社さんへの仲介手数料
・保証会社さんへの保証委託料
・(前家賃)

どの費用に関しても、1ヶ月の家賃×●か月分、というような形で支払うことになるため、家賃が高ければ高いほど、初期費用も高くなる傾向にあります。

1-1, 自宅を利用する場合

自宅の一部をネイルサロンとして開業をする場合には、部屋の一部や一室を施術スペースとして使うため、物件を借りるための費用はかかりません。

1-2, マンションなど部屋を借りる場合

マンションのような部屋を新たに借りてネイルサロンを開業する場合には、一人暮らしをするときに部屋を借りることを想像してもらえれば大丈夫です。

家賃7万円の場合、費用のイメージは、

敷金 70,000円 家賃の1ヶ月分相当
礼金 70,000円 家賃の1ヶ月分相当
仲介手数料 70,000円 家賃の1ヶ月分相当
合計 210,000円  

となります。仲介手数料はほとんどの物件において一ヶ月分ですが、敷金礼金は物件によりけりですし、交渉の余地があるケースも多いです。参考にしてください。

*マンションなどお部屋を借りてネイルサロンをスタートする場合には、大家さんに営業の許可を取ることが必要となるケースもあります。取らずにやる場合には看板が出せないなどのデメリットも発生します。当社で調べたところによると、東銀座や御徒町あたりではマンションなのに看板を出すことがOKの物件が数多くありました。

1-3, 店舗型の場合

ネイルサロンとして店舗(テナント)を構えて開業をするパターンです。

広くて、多くのお客様にご来店頂けて、内装も全て思い通りにできるため、憧れを持つ方もたくさんいらっしゃると思います。しかし、もちろん一番資金が必要なのがこの形態です。

家賃25万円の場合を例にとると、

保証金(敷金) 1,500,000円 家賃の6ヶ月相当
仲介手数料 250,000円 家賃の1ヶ月相当
保証委託料 250,000円 家賃の1ヶ月相当
合計 2,000,000円  

となります。

高額な費用はかかりますが、その分サロン自体も広く、高い売上をあげられます。

1-3-1, 【実際に!】店舗型ネイルサロンの出店に資金がいくら必要だったか

当社が川崎駅(JR東日本の中で11番目に大きい駅です)徒歩3分の立地にネイルサロンを開業した時にかかった資金を公開します!実際に立地と広さとかかった費用がわかると参考にしやすいかと思います。

家賃 325,800円
保証金(敷金) 1,600,000円
仲介手数料 288,000円
保証委託料 288,000円
合計 2,501,000円

合計は250万円を超えているためかなりの金額ではありますが、広さは67平米あり、ハンドを6席、フットを2席取れるので、来店可能なお客様の数も多く、オープン当初から黒字で経営をすることができました。また、広いバックルームがあるためスタッフにも好評です。

2, 内装など物件の準備に関わる費用

物件を借りたら次は内装です。準備において内装を考えるのはとても楽しいことですよね。

しかし、オープン後の運転資金にとっておかないといけない部分もありますので、あまりにお金をかけすぎるのは禁物です。

2-1, 自宅を利用する場合

自宅を利用する場合、施術場所として使うスペースに限りがあることもあり、ほぼ内装はできないかと思います。

2-2, マンションなど部屋を借りる場合            

マンションなど部屋を借りる場合においても、部屋の内装を変更することがNGのケースが多く、壁や床は基本的に変更をできません。変更が可能な場合にはその分敷金が高くなるなど初期費用が大きくなります。

2-3, 店舗型の場合

店舗型の場合は、もちろん自由に内装を変更することができます。

壁や床を新しくすると、それだけで本当に大きくイメージが変わります。店舗型の場合には、大きく分けて「居抜き物件」「スケルトン物件」によって内装にかかる資金が大きく変わります。

2-3-1, 居抜き物件

居抜き物件とは、前にネイルサロンをやっていた店舗が壁や床、備品などの設備をそのまま残した状態の物件のことです。この場合、残っている内装設備が気に入るようであれば、費用をかけずにそのまま営業をすることが出来ます。

当社でも居抜き物件を使ってネイルサロンをオープンしたことがありますが、その時には、壁と床の色がサロンのテイストに合わなかったため変更をしました。実際にかかった費用は35平米の物件で約25万円のでした。

2-3-2, スケルトン物件

スケルトン物件とは、壁や床、トイレさえもなく全てをゼロから作り上げないといけない物件のことです。

(実際に内見をしたスケルトン物件)

この場合、単なる床や壁の内装工事だけではなく、配線工事やトイレの設置に伴う水道管の配管工事なども入りますので、かなり大掛かりな作業となります。その分費用も大きくなります。当社でもスケルトン物件から大型のネイルサロンをオープンした経験がありますが、その際にかかった費用は約150万円ほどでした。

3, 原料や備品に関わる費用

原料や備品に関しても、最初に揃えないといけません。
当社がネイルサロンを開業した際にかかった費用の詳細をまとめました。

*席数6席分のネイルサロンのため、もっと小さいネイルサロンにする場合には費用も下がります。

>レジ関連

内容 単価 個数 合計
PC 80,000 1 80,000
プリンター 20,000 1 20,000
Wi-Fiルーター 6,000 1 6,000
電話 10,000 1 10,000
空気清浄機 25,000 1 25,000
金庫 3,000 1 3,000

>道具、材料

内容 単価 個数 合計
ライト 3,500 24 84,000
マシン 25,000 3 75,000
タオルウォーマー 10,000 1 10,000
フットバス 5,000 1 5,000
消毒器 10,000 1 10,000
材料(ジェル、パーツ) 300,000 1 300,000

>テーブルや椅子

内容 単価 個数 合計
テーブル横道具置き 7,000 8 56,000
施術用テーブル 16,200 6 97,200
お客様の椅子 10,000 6 60,000
フット用お客様の椅子 15,000 2 30,000
スタッフ椅子ハンド用 2,500 6 15,000
スタッフ椅子フット用 2,500 2 5,000
オットマン 10,000 2 20,000
入り口のテーブル、椅子 30,000 1 30,000

>バックルーム

内容 単価 個数 合計
冷蔵庫 20,000 1 20,000
電子レンジ 7,000 1 7,000
掃除機 10,000 1 10,000
テーブル 10,000 1 10,000
ロッカー 30,000 1 30,000
5,000 1 5,000

>その他店内設備

内容 単価 個数 合計
テレビ 40,000 2 80,000
DVDプレイヤー 10,000 1 10,000
文房具 5,000 1 5,000
時計 10,000 1 10,000
消耗品 5,000 1 5,000
傘立て 5,000 1 5,000
雑誌 5,000 1 5,000
物干し 2,000 1 2,000

これらを合計すると約110万円となります。               

店舗型で大きなネイルサロンを作るとなると、備品だけでも100万円前後は見ておいた方がいいでしょう。

4, その他見落としがちだけど掛かる費用

物件の契約費用を支払い、内装も完成、備品も集めた!ここまででオープンすることは出来ますが、健全な店舗経営をするにあたって必要な資金はまだあります。その中でも代表的なものをご紹介します。

4-1, USEN

店内を心地よい空間にするためにUSENを入れるサロンは多いと思います。
USENも無料ではなく、有料です。毎月約3,000円ほどのコストがかかります。

4-2, 保険

施術中にお客様にお怪我を負わせてしまった場合の保険に入ることも大切です。

サロンの規模にもよりますが、年間契約で約10,000円ほどの保険が多いようです。怪我の具合によっては大きな損害賠償になってしまうケースもありますので、加入をお勧めします。

4-3, スタッフの求人費用

自宅サロンやマンション型ネイルサロンでオーナーが1人でネイリストをやる場合には必要ありませんが、店舗型の場合、オープニングスタッフの募集をすることになると思います。だいたい、オープンの2ヶ月くらい前から求人サイトを利用するのが安心です。求人サイトにかかる費用は、主に、「固定掲載費用(約3~5万円)」と「成果報酬費用(〜12万円)」となります。仮にスタッフを2名雇ったとすると、

固定掲載費用 30,000円
スタッフA(歴5年)採用成果報酬 100,000円
スタッフB(歴1年)採用成果報酬 40,000円
合計 170,000円

これくらいの採用費用がかかります。

5, 運転資金

ネイルサロンを開業する場合には、出店開業資金だけでなく、必ず運転資金も残すようにしてください。どんなにいいサロンでも開業した初月から黒字になることは稀ですし、(当社の場合はだいたい2ヶ月目から黒字になります)不測の事態が起きることもありますので、ある程度まとまったお金が手元にあると安心です。

目安としては、月の売上の3ヶ月分くらいの現金が手元にあると望ましいでしょう。

6, 資金はどうやって準備するのか

どのような形態で開業するのかにもよりますが、開業自体にも多くの費用が必要ですし、その後の運転資金に関しては、自宅サロンでもマンション型サロンでも必要です。その資金の準備の仕方にも色々な方法があります。その詳細はこちらの記事でご案内していますので、合わせて読んでみてください。

日本政策金融公庫から新規開業資金を借りるポイント

7, まとめ

今回は、実際に当社がネイルサロンを開業した時にかかった資金も公開をしてみました。
数字の目安だけではなく、実際にかかった費用というのは信ぴょう性も高くイメージしやすいと思います。

どれくらいの資金がかかるのかまずはしっかりと把握し、自分にあった資金準備の方法を決めて、夢の自分のお店を持ってくださいね!

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