こんにちは!代表の佐藤です!
自分のお店を持つことは多くの美容師さんにとって夢だと思います。ですが、一方で開業資金を貯めることは簡単なことではありません。果たして自己資金はゼロでも開業は可能なのか?不可能な場合にはどんな方法で資金を集めたらいいのかご紹介します。
*ここではいわゆるカードローンや、消費者金融系、ノンバンクなど、金利が高く借り入れのリスクが大きいものは紹介しません。可能な限り、そういったものには手を出さないようにしてください。
目次
1, 美容室に必要な開業資金
最初にお伝えしますが、資金ゼロでは開業はできません!ネイリストさんですと自宅で開業することも可能ですが、美容室の場合には、シャンプー台や水回りを整備する必要があるため多くの開業資金がかかります。
一般に美容室の開業資金は安くても300万円、内装にこだわったり大きな箱で開業をするとなると1,000万〜1,500万円が必要になります。
資金ゼロではもちろん開業できませんが、少しの自己資金があればそれを元手に数百万の開業資金を作ることは可能です。とはいえ、美容サロンで働いている方にとっては、少しであれども自己資金を貯めるのは難しいと思います。そこで、自己資金がない場合でも資金調達が出来る方法もお伝えします。
2, 資金調達の方法
それでは開業資金の調達方法についてご紹介します。
開業後に調達ができるものもあれば、開業前だからこそできる調達方法もありますので、今の自分にあったものを選択していく必要があります。
2-1, 銀行借り入れ
まず初めに銀行借入です。独立・開業をするとなると銀行からの融資を受けるイメージがあるかもしれませんが、正直に申し上げて、「銀行借入は出来ない!」と思ってください。比較的に銀行の融資審査は厳しいですし、営利団体のため創業を支援するという目的の融資は行っていません。
2-1-1, 保証協会付融資
銀行からの融資は厳しくとも、保証協会付融資という方法では銀行から資金調達をすることができるかもしれません。保証協会付とは、お金を返済できなくなった時のリスクを銀行ではなく保証協会が肩代わりすることで、銀行から融資を引き出しやすくする方法のことです。しかし、開業当初など売上や利益の見込みが不明確な場合には審査が厳しくなりますのであまりあてには出来ません。
2-1-2, スルガ銀行
一方でスルガ銀行の融資は積極的なため一度相談してみた方がいいかもしれません。スルガ銀行の場合は個人に対して融資をする際のハードルが低いため、独立・開業前の給与所得があるうちに借入をし、独立後に個人から法人に貸し付けるような形で資金調達をするのがオススメです。この場合は自己資金がなくても現在の給与所得をベースに借り入れができるため資金調達が可能です。一方で金利は約8%と銀行からの借り入れとしてはかなり高い(それでも消費者金融やカードローン、ノンバンクと比べれば安い)ので、慎重な返済計画を選ぶ必要があります。
2-2, 日本政策金融公庫
日本政策金融公庫というのは政府系の金融機関です。通常銀行では行えないような業務を担当するために生まれた金融機関ですので、創業を支援する融資制度も充実しています。その中でも「新規開業資金」という制度は新規に創業をされる方を対象に融資をする制度ですので利用しがいがあります。しかし、この制度を利用するためには借入希望額の30%の自己資本を用意する必要があります。
例:600万を借りたいのであれば180万円の自己資本を持っていないといけない。
2-3, 法人を設立して株を売る
株式会社を設立して株を売ることも開業資金を得る上で考えておきたい部分です。うまく実施ができれば自己資金0円でも開業をすることができます。
例えば300万円の株を発行して会社を設立しようとした場合、50万円ずつ6人の方に買ってもらえれば300万円を調達することができます。一方で株を発行して第三者に購入してもらう場合には発行した株式のうち半分までに留めておきましょう。過半数以上の株式を自分以外の人が持っている場合には、会社の経営権がその人にあると言っても過言ではありません。また、株を買う側にとっては上場や売却をした時の利益や、株主優待を求めて購入をするためどんなメリットを提示できるかが鍵となります。例えば、毎回のカットやカラーが安くなるような株主優待や、サロンの商品安く買えるようなオファーがあるといいと思います。
2-4, 助成金
忘れがちなのが助成金を使った資金調達方法です。
助成金とはある特定の基準を満たすと国からもらえるお金のことで、原則返済不要のためそのまま開業資金や運転資金に当てることができます。基本的に助成金は開業をし経営をしていく過程の中で申請の条件を満たし、資金を得られるものですが、「創業補助金」という制度は創業時にもらえる貴重なものです。
創業補助金を始め、サロン経営に役立つ助成金に関してはこちらをご確認ください。
3, 資金調達を成功させるコツ
美容室を開業するにあたり資金調達は最初の大きな関門です。資金調達を成功させないと開業ができないため、必ず成功させる必要があります。しかし、用意する書類も膨大ですし不備があったり、書くポイントを抑えていないことには融資の審査を通すことはできません。また、仮に融資を通すことが出来たとしても金利が高くなってしまうと、経営に大きなダメージになりますので、そこも金利を抑えるコツを把握しておくことが大切になります。
当社では数々の融資を成功させてきたノウハウや事業計画書、金融機関との繋がりが多種多様にあります。必ず成功させないといけない資金調達だからこそ是非ともプロにご相談ください。
3, 開業資金を節約するためには
調達の方法はもちろん大切ですが、開業資金を節約することも大切です。
開業資金に当てはまるものは、大きく分けて「物件契約費用」「内装費用」「設備や備品」に分けられると思いますので、それぞれにあった節約方法をお伝えします。
3-1, 物件契約費用の節約
物件の契約時には非常に大きな金額が一気に出て行きます。その中で削減の余地があるものはズバリ「敷金」「保証金」です。(基本的に敷金と保証金はイコールで考えてOKです)
敷金・保証金の交渉をするにあたっては、物件の原状回復が容易であることを伝えることがポイントです。物件の内装に何かあった時や、次の人に貸すときに原状回復をさせるために必要な金額が敷金・保証金ですので、それに問題がないことを伝えられれば減額になる可能性が高まります。
3-2, 内装費用の節約
壁や床や天井は塗装をする面積に応じて費用が変わります。お客様の目につかないような部分は自分で塗装をしたりすることで費用は削減できます。また、参勤流行りの天井や壁がむき出しになっている内装はおしゃれですし、費用もかからず一石二鳥です。
3-2-1, 居抜き物件を狙おう
居抜き物件とは以前に美容室をやっており、その内装のまま物件を借りられるもののこと差します。はじめから内装が美容室特有の作りになっているため追加で内装をする必要がなく、開業資金の削減にはもってこいです。
3-3, 設備や備品の節約
必要な備品は一括で購入するのではなく、ビジネスクレジットやリースを使うと初期費用を抑えられます。ビジネスクレジットとは、備品を購入しそれを分割で払っていく仕組みのことで、リースというのは備品を借りるということです。どちらも購入をするよりも割高ではありますが、開業当初としては一気にお金を出費するよりも、少しでもお金を手元に残したいと思いますので、分割払いや貸し出しも有効活用してください。
4, まとめ
自己資金ゼロで美容室を開業するのはなかなか大変ですが、やりようがない訳ではありません。借入で資金を作り、テナントの契約費用を抑え、備品は分割払いなどを使えば、開業資金はかなり下げられます。夢の美容室開業へ向け、参考にしてみてください。