独立・起業・開業、なかなか一歩踏み出せない方も多いかと思います。
私自身も会社を興す時には不安もあり、いろいろな人に相談をしたこともありました。また、私自身が一部上場企業で管理職をしていたこともあり、そのままキャリアアップしていくことと、独立し挑戦をすることの天秤にかける毎日でした。
その時に、起業・独立を決意をする上で、未だに「最も重要」だと思うことを教えてもらい、決心ができました。今回はそれをお伝えしたいと思います。
目次
1, 独立、起業、開業をする上で最も大切なこと
早速ですが、私自身が思う最も大切なことをお伝えします。
それは「撤退基準を決めること」です。ここでいう撤退基準とは、売上や利益に対して指標を設けて、ある時期までにそれを達しなければ事業として撤退をする、という基準のことです。1円でも1日でも達成できなければ有無を言わさず撤退をするべきです。
私自身も創業をする際に、一年間で利益●円を達成できなかったらやめる!ということを決意し、独立をしましたし、その後新規事業を立ち上げる際にも、同じく撤退基準を設けてスタートをしました。
かの有名なインターネット企業であるサイバーエージェントの藤田社長もご自身のブログで
『リリース後4か月経過した時点で、コミュニティなら300万PV/月、ゲームなら1000万円/月を超えていなければ撤退検討』撤退基準を予め決めておくことはネットビジネスをやる上でものすごく重要なことだと私は考えています。
「渋谷で働く社長のアメブロ」から引用
https://ameblo.jp/shibuya/entry-11455423878.html
このように仰られています。大企業の代表であっても非常に大切にされている基準だということが分かります。
1-1, 撤退基準が必要な理由
起業・独立をする時に辞める時のことを考えるなんて逆説的ではありますが、たくさんのメリットがあります。
<メリット>
・目標と期間が定まることで逆算をして事業に必要なことを考えることができる。
・失敗した時に不幸になる人が少なくなり、その度合いも下がる。
・撤退基準があるからこそ新しいことに挑戦できる風土が生まれる。
などなど、撤退基準があるということは後ろ向きなことではなく、それがあるからこそ前向きに挑戦ができるようになります。そして、起業や独立とは自分一人の問題ではなく、家族や友人、従業員も巻き込むことになるからこそ、挑戦の許容範囲を決めることが大切です。
1-2, 必ず守ることが大切
撤退基準を決めたら必ず守りましょう。
会社としての撤退基準もあれば、会社の中の事業としての撤退基準も存在すると思います。来月には…もう少し取引先が増えれば…など、ずるずると決断を伸ばして取り返しがつかない状態にまでならないようにするための撤退基準ですので、一度決めたら必ず守るようにしなければ意味がありません。
2, 独立、起業、開業をする理由
テレビや雑誌で経営者がインタビューを受けていると、会社の存在する意義や、経営理念、社会貢献などを明確に語られているシーンをよく見ます。どれも会社にとって非常に大切なことです。一方で、独立や会社を設立する段階において、これらは必要ないことだと、私は思います。
2-1, 理由は必要ない
崇高な理念とか、会社が存在する大義名分とか、初めから大きな何かを掲げて起業をする人なんて極わずかだと思います。事業を続けていく中で、大切にしたいものが見つかったり、会社として成し得たい目標を掲げたり、大事にしたい人や取引先が見つかったり、そういうものが重なっていくことが自然だと思います。大義がないことは引け目を感じることでもなんでもありません。
起業、独立、開業を決意する上で最も大切なのは少しの好奇心です。
みんながよく知っているインターネット企業だって、創業の理由は「インターネットってすげー!」って思ったからとか、何百店舗を構える美容室チェーンだって「都会でお洒落なお店を作りたい!」とかそんなもんだと思います。
その好奇心を何よりも大事にしてあげてください。そして、会社を経営していく中で芽生えた気持ちや意義を大切なものとして育てていくことが大切ではないでしょうか?
ただ、その好奇心で自分や周りの人、従業員の人生をめちゃくちゃにするわけにはいかないので、それを守ってくれるお守りが「撤退基準」なんです。
3, 独立・起業・開業の流れ
いざ独立をする!と決意を固めた後に実際どんな手続きやお金が必要なのか簡単にまとめました。今回は個人事業主ではなく、法人設立を想定しています。基本的に個人事業主の場合、手続きフローや必要な初期資金は法人よりも少なくなります。
3-1, 会社所在地の確定
会社を登記する場所を確定させる必要があります。
法人の場合、今住んでいる自宅で登記するのは基本的にNGですが、大家さんからOKが出ている物件の場合には可能です。いきなりオフィスを借りるとかなりの費用が必要なので自宅登記がNGの物件の場合には、シェアオフィスなどで登記をするケースが近年多く見られます。
3-2, 会社設立手続き
会社の定款作成の費用と、法人の登記費用で合計約20万円が必要です。
・定款…会社所在地や代表者氏名、株式、事業内容をまとめた書類(履歴事項全部証明書とも言います)
・登記…国に対して会社を登録する行為をイメージしてください
3-3, 会計や税務周り
会計処理など会社のお金の管理に係わる部分は早々に基盤を作っておいた方がいいです。
会社設立当初から税理士事務所に任せてしまった方が、メリットが大きいと思います。税理士事務所に顧問をお願いする場合には月額1~3万円ほどの費用を見ておきましょう。
3-4, そして営業!
会社が出来上がったら顧客や取引先の獲得のために営業に励みましょう。
toBで取引をする際には、必ず「業務委託契約書」や「秘密保持契約書(NDA)」を交わすようにしてください。支払い期日や、契約期間、賠償の範囲などあらかじめ決めておかないと大きなトラブルに発展するケースがありますし、設立したばかりの会社の場合、損害賠償や入金遅延で経営が一気に傾くことも珍しくありません。
3-5, 決算
無事、起業から1年が経過すると決算をしないといけません。
決算自体は顧問税理士事務所が行ってくれますが、法人税や事業税、都道府県民税などの支払いは毎月ではなく決算のタイミングで一度に来ます。いきなり多額のキャッシュが必要になることも多いので、あらかじめ税理士先生に相談をして、「いつ」「いくらのキャッシュ」が必要なのか把握しておく必要があります
4, あなたの起業を支援してくれるもの
ここまでは、「起業をするのに立派な理由なんていらない」「撤退基準を設けること」の大切さ、そして「実際の起業の流れ」をお伝えしてきました。
ここからは、いざ独立、起業をすると決意した時にあなたをサポートしてくれる制度やサービスをお伝えします。
4-1, 助成金
助成金とは原則返済不要で資金を調達することができます。
従業員を雇用する時に利用可能なキャリアアップ助成金が有名ですが、創業時に申請が可能な創業補助金という制度も非常に心強いです。
サロン経営だけでなく、助成金一般に関してもこちらでまとめていますので、ぜひご覧ください。
4-2, 融資
金融機関からの融資も非常に大切です。
独立後、日が浅い時にはまだ売上も小さく、数社の取引先や数人のお客様の売上に依存します。その売上がなくなってしまった時などに経営危機に陥らないようにするために、会社に潤沢な現金を常に持っておくようにしましょう。独立後すぐにはなかなか融資は受けられませんが、日本政策金融公庫の新規開業資金という制度を利用するなどして、融資を受けることはメリットが非常に大きいです。
5, まとめ
再度になりますが、「撤退基準を設けること」が起業、独立、開業においてキーとなります。ルールを決め、挑戦をして、その先にあるものを大切にしてください。起業はとてもエキサイティングで楽しいものです。