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個人事業主でも助成金は貰える?社会保険への加入の義務は?

これから独立を考えている美容師の皆さんの中には、
助成金は法人企業だけ申請ができると思っている方も多いのではないでしょうか。
自分のお店を開業し、運営をしていくには当然のことながら、“資金”が必要になります。
もしこの開業資金を援助する助成金を貰えたら、精神的にも負担が軽くなりますよね。

実は、中小企業を対象とした助成金の多くは、個人事業主も同時に対象となっているものが多く存在します。
また、5人以上の従業員を採用するのであれば社会保険への加入も義務となります。
そこで今回は、これからいざ開業をしよう!とする際に、知っておきたいこの2点の疑問について、解説していきます。

1.個人事業主でも申請可能な助成金とは?

個人事業主であっても、助成金の申請は可能です。
よく個人は助成金がないと勘違いをされていますが、それは実は間違いです。
助成金自体は、国や自治体が事業を行うための支援金として援助するもので、原則、返済義務は発生しません
一度もらうと、そのまま事業へ役立てることができます。
ここで間違ってほしくないのは、補助金とは違うということです。
補助金も同じように国や地方自治体から支援してくれるものですが、補助金には上限があり受付が終了する可能性があります。
また、助成金は申請要件を満たさなければそもそも申請ができないため、その申請が受理されれば、それだけで支払いが行われます。
また、一度に支払われる助成金の金額は数万円から数百万円までと、その範囲は非常に幅が広いものとなっています。

2.個人事業主が助成金の申請をするために必要な手続きとは

個人事業主が助成金を受け取るためには助成金の受給条件を満たしていることが条件に挙げられます。例えば、一例を挙げると個人事業主でも受けられる助成金の中に「地方再生中小企業創業助成金」というものがあります。
この助成金は、個人事業を開業し、雇用保険の対象となる人を1名以上雇用した場合に、
開業資金や雇用にかかった費用を助けてくれる助成金です。
これは、開業から6か月以内にかかった開業費用の3分の1が対象となり、その金額の上限は300万円もしくは500万円となっています。

5名以上を雇い入れる場合は500万円が上限として、5名未満を採用する場合は上限300万円という風に規定がされています。
雇用保険の一般被保険者といえば、一週間の労働時間が20時間以上、31位日以上の雇用見込みがあり、65歳未満であることが条件です。
簡単に解釈するのであれば、正社員と考えればわかりやすいでしょう。
個人事業主と一緒に毎日働いてくれる雇用者です。
個人事業主が開業しようと思うのであれば、こういった資金も有効活用すると、開業してすぐの事業が軌道に乗るまでの間の資金繰りは楽になることが分かります。

雇用に関連する助成金の場合は、厚生労働省が管轄していることがほとんどなので、ハローワークへ申請に行けば、その手続きが完了します。
また、書類の書き方についてもそこで指導を受けることができるので安心です。
また、個人事業主が事業を行っているという実態を確認するために、開業届は必要になりますので、その準備はしておく必要があります。

このほかにも個人事業主が申請できる助成金に、キャリア形成促進助成金、トライアル雇用助成金、中小企業退職年金共済制度に係る新規加入掛金助成及び掛金月額変更掛金助成、特定求職者雇用開発助成金の4つが挙げられます。このどれもが厚生労働省の管轄ですから、人材雇用について何か助成金を受けたいと思うのであれば、ハローワークに相談に行くのも一つのいい方法だといえます。

このほかにも、今後もし消費税の軽減税率が導入されればレジを購入する際の助成金も発表されています。サービス業でお客様からお金を預かり、実際にレジを打つような店舗を運営して言う量なところであれば、こういった助成金も見逃せないものになっています。

3.助成金は返さなくてもいいって本当?

助成金の返還は不要です。返済義務もありません。
ただし、例外的に、廃業した場合などは返還を申し立てられる場合があります
しかしこれも普通に個人事業主として事業を行っていれば何も気にする必要はありません。
個人事業主が受ける助成金には個々に条件がありそれを違反した場合には返還を要することがありますから、事前にそのあたりの規定も調べておけば、安心して申請し、受給することができます。

4.助成金の情報はどこから収集すればいい?

助成金の情報は厚生労働省や市区町村、各都道府県の中小企業団体のホームページから収集することができます。
もちろん、ここには法人を対象としているものも掲載されているので、内容自体はよく精査する必要があります。
情報自体は、意外と身近なところから収取できるので、媒体をこまめにチェックすることが、ポイントになります。

このように、個人事業主であっても申請できる助成金は多種あります。
そして、それが開業となると事業を継続して行っている個人事業主よりも多くあることが分かります。
お金が足りなくて操業できない、開業資金が足りないといった場合は、このような助成金を活用すれば、楽に開業できます。
また、個人事業の規模を拡大するために今の人員では足りないと思うのであれば、雇用に関する助成金を受ければ、事業拡大に一役貢献できます。

5.社会保険への加入の目安とは?

ここまで開業資金の手助けとなる、助成金について触れてきました。
利用できる制度の一方で、開業前に雇用主として、義務も把握しておく必要があります。

それは、従業員の社会保険への加入です。
社会保険とは、一般的には健康保険と厚生年金の2種類の保険の事を指すケースが多いです。

この社会保険、従業員何名からが加入の目安となるか、皆さんご存知でしょうか?
一般的には従業員が5名以上の場合、社会保険の加入の目安と言われています。

個人事業主の場合は、あまり従業員の数がいない可能性は高いので、社会保険の加入対象となる5名という人数には当てはまらない場合が多いのですが、その場合でも加入することは可能です。
(この5名に事業主本人はカウントされませんから、実質6名で働いている、ということになるといえば、イメージしやすいでしょう。)

6.社会保険の負担費用について

この社会保険、実際にかかる費用はどれくらいになるのでしょうか。
日常で社会保険と呼ばれる健康保険と厚生年金の保険料は、大体で言う「(通勤手当も含めた)給料の約28%」になります。
法人が社会保険の加入を渋る理由のひとつが、法人も同額の負担をしなければならない点です。
国民年金や国民健康保険料とは違い、個人負担のほかに事業主負担部分が発生します。
事業主負担部分の目安は、個人負担部分とほぼ同額程度です。
実際には、給料から約14%を引き、それに会社が同額を追加して、納める形になります。

そのため、従業員の人件費を考える際にこの社会保険の負担を考慮しないといけなくなります。
給料の14%と言うと、かなりの負担に感じられるため、できれば加入したくないと思う事業主の方がいらっしゃるのも大いにうなずけますよね・・・。
開業して間もない時に、特に強制される要件に当てはまらないのであれば、
その資金を負担することが難しい状況も多いのが現状です。

ちなみに、実はこの社会保険、美容院のようなサービス業の場合、5名以上雇用していたとしても、
任意の適用となる業種なので、この限りではありません。

任意加入の場合は、従業尾院の半数以上の同意がなければ社会保険に加入することができませんから、事業主がいくら「加入してほしい」といったとしても、条件を満たせない場合があります。
この場合、「任意適用同意書」と「任意適用申請書」を年金事務所へ提出することで、任意での加入が可能になります。

7.美容業界の場合の社会保険の加入について

前述の通り、社会保険の加入については、美容業界では任意の適用になるケースがあり、「社会保険に未加入の店舗が多い」と言う認識を持たれている方も皆様の中には多くいらっしゃるのではないでしょうか。

私たちも、サロン経営を始めた当初、この問題に対して、確かに周りの美容院も加入していないと言う話を聞いたり、経営的な側面から、加入について意見を交わしました。

しかし、当たり前ではありますが、サロンの従業員のこと、昨今の日本の状況を考えると、加入することが望ましいことが分かります。
「自分の事は自分で守る」ではありませんが、実は、美容業界から視点を外に向けてみると、業種によっては社会保険に加入していなければ仕事ができない、といった条件を設けている業種もあるくらいです。
もちろん個人事業主は、社会保険の場合その半額を負担しなければいけないという実態はあります。
しかし、将来受け取る年金額が多くなること、また社会的に個人事業とはいえ一つの事業として認知されやすいという事、将来、法人なりをした際にスムーズにその意向ができることを考えると、やはり加入することには、メリットが大きいということが分かります。

ただし、最後に一点、注意が必要です。
個人事業主の場合は、従業員を社会保険に加入することはできますが、事業主本人は加入することができません。
あくまでも国民年金と国民健康保険の対象者ということになります。
そこは法人企業の役員が社会保険に加入できるのとは違うので、よく理解しておく必要があります。

8.まとめ

ここまで、美容サロンにとっての助成金と社会保険について、まとめてきました。

とはいえ、実際、最適なのはどのような組み合わせなのか、また経営がうまく行っている美容サロンの多くはどうしているのかと言うところが一番、気になるところだと思います。
(実際に、私たちへの問い合わせの中にも、開業前・開業後問わず、上のようなご相談を多くいただきます。)
ここに関しては、皆様のサロンの規模や運営フェーズによっても全く異なりますので、
現在の状況をお伺いしながら、様々なケースを想定し、ご提案させていただくのが良いかと思います。
自分たちのサロンの場合の最善策を相談したいという方は、是非一度、お気軽にご相談ください。

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