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念願の美容サロン開業!必要な税務手続きやその後の申告について

美容師やネイリストなら、「いつかは独立して自分のお店を開業したい……。」
そう思う方も多いのではないでしょうか。
1人で開業できるスキルを身につけ、場所も確保し「早速開業しよう」と思ったものの、
実は確定申告だけではなく、それ以外の手続も必要だったことを後で知った、という話を
意外とよく耳にします。
ここでは、開業後にこのような状況で悩まないように、開業の時に必要な手続きや、その後の申告について解説します。

1.事業を始めるために、税務署へ提出しなければいけないものは?

それでは早速、開業にあたり提出が必要な事項を紹介していきます。
ここでは、独立をされる美容師・ネイリストの皆さんに多い、個人事業主や家業の引き継ぎのケースに着目して、見ていきましょう。

1-1.個人事業主は必ず提出が必要な「開業届」

開業届とは、正式名称を「個人事業の開廃業届」と言って、税務署へ提出するものです。
美容院・サロンを個人で開業する場合には、必ずこの提出が必要になります。
まれに、提出を忘れている人もいますが、これを提出していなければ、
個人事業主の特権である「青色申告特別控除」が受けることができません。
これは最高で65万円の所得控除が受けられるというものなのですが、提出をしなければ、
いわゆる白色申告者という位置づけになり、所得税の確定申告を行う際に、税制面での優遇が受けられないので、損をすることはありませんが、得もしないということになります。

また、個人名の通帳ではなく屋号のついた銀行口座を作成できるので、個人用と事業用をはっきり区別することができ、数年後、もし法人なりをするといったときには、資産を分類しやすいので非常に便利です。
また、万が一、税務調査があった場合でも、しっかりと分けることができていれば、個人の所得だといわれる心配もないので、開業届を提出して屋号のついた銀行口座を開設することはおすすめです。

開業届を提出することは、個人事業主として事業を行うことの宣言を税務当局へ行うことになります。たまに聞かれるのですが、この開業届を提出をしなければ税金の申告をしなくてもいいのかといえば、そうではありません。
事業を行っていれば、必ずばれてしまいます。
開業届を出さないことに罰則はありませんが、所得税の申告を怠ったことに対しての罰則はありますから、そこは間違えないようにする必要があります。

1-2.開業届けは、いつまでに提出すればいいの?

開業届には、実は提出期限があります。
それは事業開始等の日から1か月以内です。
提出が遅れても、それについて罰則はありませんが、もし家族の誰かが美容院を手伝い、その人に給与を支給するといった場合には、開業届提出後に青色専従者給与に関する届出書を提出すれば、支給した全額を経費として認めてもらうことができるので、所得税の計算をするときに有利になります。

参考までに、白色申告者の場合は身内に支払う給与は86万円までしか経費として認めてもらえないため、全額経費として認めてもらえる青色専従者給与は、利益が多い個人事業主の場合には、非常に助かる税制面での優遇であるといえます。

もし、家族の誰かが同じような事業をしていて、それを引き継ぐといった場合でも、個人事業主の場合は開業届が必要です。
そこは注意しておきましょう。

1-3.開業届の記載内容には何があるの?

開業届の記載内容は、まず、納税地となる住所地、個人事業主の方の名前、マイナンバー、屋号と職業、生年月日となります。
これらは誰でもすぐにわかる内容です。

次に、開業した日付、給与等の支払いの状況を記載します。
給与は専従者として誰かを届け出る予定がある場合には、人数を記載しておきます。
また、身内以外に誰かを雇う予定がある場合も使用人欄に人数を記載します。
初めは美容院を一人でする、と決めている方の場合は、個々に記載の必要はありません。
また、後々誰かを雇うといった場合も、開業届を再度提出する必要はなく、あくまでも現況を記載することになります。
このほかに、消費税を申告する予定がある人や、青色専従者の届出書を提出する予定がある人は、そこにもチェックを入れることになります。

このように、誰でも一人で記載できる内容で構成されているのが開業届です。

1-4.開業届にはメリットが多い

このように、開業届を提出すれば、そのあとに提出できる届出があり非常に有利であることが分かります。
個人事業は、売上が軌道に乗るまではなかなか苦労が絶えませんが、こういった税制面での手続きをしっかり行えば、後々自分にとって有利に働くことが多いので、事前に準備しておくことがベストです。
また、開業届は国税庁のホームページからダウンロードでき、自分で記載できるくらいの簡単な届出です。
難しいものではないので、届出等の手続き費用を抑えたい、という個人事業主の方は、充分自分で行うことができます。
どうしても書き方が分からない、といった場合は、直接、税務署へ行って相談すれば無料で対応をしてもらえますので、一人で悩むこともありません。

この開業届は、税制面だけの優遇を受けるために提出するものではありません。
例えば補助金の申請を行う場合に、法人企業は謄本がありますが、個人事業主の場合は謄本がないため、この開業届がその代わりとなり、申請時の添付書類として必須となってきます。
ですから、一度提出するとその利用価値は高いのです。

開業届は、個人事業主が事業を行っている事の証明書になります。
また、税務署へ届出を提出するだけではなく、都道府県にも提出しなければいけません。
これを「個人事業税の事業開始等申請書」というものです。
これも提出が遅れたからと言って罰則はありません。
また、開業届を税務署へ提出すれば自動的に通知が行く仕組みになっているため、あえて提出をする必要がないと考える人もいます。
ただし、税理士などの専門家に依頼をすれば、必ず提出している書類にはなりますので、開業届と一緒に提出するものという認識を持っておく方が確実です。

2.開業してから毎年行う「確定申告」とは?

ここまで開業時に必要な開業届について紹介してきました。
では、開業後にはどのような申請が必要になってくるのでしょうか?
続いて、よくTVなどで耳にする確定申告について見ていきましょう。

2-1.確定申告は個人事業主の義務?

確定申告は、1月から12月までの所得を計算し税務署へ申告するものです。
個人事業主の場合は、所得税の納税額を計算します。
計算は単純で、売上から経費を引いた残りの額に税率を掛けて計算します。
この税率は、所得金額によって変わりますから、所得が500万円の人と3,000万円の人では、そもそもその率が違うので、不公平にならないように設定されています。
もちろん、赤字だったという年はその税額が計算できないので、所得税は納めなくてもいいということになります。

2-2.申告する内容は?いつまでに、どこへ申告が必要?

申告する内容は、所得を計算するうえで必要となる売上と経費、その他、控除関係が挙げられます。
控除は、医療費控除や社会保険料控除、小規模企業共済掛金等掛金控除などがあり、その資料も添付すれば、所得を計算する際に控除されます。
確定申告は事業に関するものだけが対象というわけではなく、最終的には個人の税金を計算するのが目的であるため、そういった、直接事業とは関係ないものも控除の対象となります。

3.まとめ

美容院を個人で開業しようと思ったときに、開業届を税務署へ提出することは面倒なことではありません。
その後、自分が受けられる税額控除を考えれば、むしろ提出しておくに越したことはないことが分かります。

個人で美容サロンを開業し、事業をしていると実感できるのは、
やはり、確定申告をしている時ではないでしょうか。

いわばその年の自分の事業に対する成績がそこで改めて実感できるわけです。
もちろん、税金が高いな、と感じる人もいれば、今年は赤字だったから次は頑張ろうと考える人もいます。
開業届を提出して、後に受けられる税制面での優遇や、補助金の申請など、少しでも事業を行うにあったて有利に働くようにしていくことをお勧めします。

いかがでしたでしょうか?
今回は、開業の際に必要な申請項目について、知っておかないといけない情報を紹介させていただきました。
とはいえ、これから新規で開業をする場合、開業準備についても、その後に受けられる補助金などについても右も左もわからず、不安なことも多いと思います。

何かご不明な点があれば、実際に私たちがどのように店舗経営と展開をしてきたかを交え、
無料で相談を受けさせていただきますので、遠慮なくご相談下さい。
ぜひ開業前の不安を少しでも無くし、貴方のサロン運営を実現していきましょう!

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