サロン経営を行う上で常に理解しておくべきことは当然ながら”売上の仕組み”です。
何故なら、売上を今からつくる場合も、なかなか売上が上がらず改善をする必要がある場合も、どこから着手・手術すべきかは売上の仕組みを因数分解できている必要があるからです。
それでは、実際にサロンの売上を考える際に、一言で“売上”と言っても、どのような項目で成り立っているのでしょうか?
これには各サロンによって、公式や考え方は様々ですが、例えば、以下のような考え方もできます。
売上=”来店客数“×”客単価”×”来店頻度”
売上=”既存顧客経由の売上”+”新規顧客経由の売上”
売上=”無料の集客媒体(自然流入、オーガニック)経由の売上”+”有料の集客媒体(≒広告)経由の売上”
その他にも、売上を上げるために押さえるべきポイントは下記のようなものがあります。
・市場調査(マーケットのサイズがどのくらいなのか?)
・立地調査(その立地に競合がどのくらいいて、どれくらい広告費を払っている、レビュー数があるか?)
・資金力(≒広告費、立地力)
・媒体力(SNSのファン数やポータルサイトの口コミ数)
この4つは全て売上=集客力に繋がっています。
あなたが経営しているサロンもしくは開こうとしているサロンの集客力は競合と比較して、果たして、どれくらいでしょうか?
サロンの集客を継続的に維持できたうえで、更に売上アップを図っていく。
一見難しそうな目標に感じられますが、実はこれには、前述したような売上の構造のどこに注目するかを考えれば、有効な方法がいくつかあるのです。
今回は、その代表的な項目である「既存顧客」「新規顧客」「無料でできる集客(一例としてSNS)」についての考え方をご紹介します。
目次
1.サロンの集客力アップに必要な3種類の考え方
それでは実際に代表的な3パターンの基礎の考え方を見ていきましょう。
2.既存顧客の集客/サロンのファンを作る
サロンに実際に足を運んでもらえる事、それ自体も大切ですが、将来のリピーターに繋げるために、今すぐサロンに来店できない人であっても、ファンを作っておくことが大切です。
そういったファンは、SNSを利用して情報を拡散してくれます。
また、興味があると言った方の場合は、このサロンどう?と拡散と同時に自分で情報収集をしようとします。その時に、いい情報を多く収集することが出来れば、一度行ってみたいな、と言うようになり、一度来店してみていい印象があれば、また行ってみたいな、と思わせられるからこそ来店に繋がります。
そして、多くの人にこんなサロンがあるんだと知ってもらいたい、自分はこんなにいいところに通っているんだと自慢したい、と行ったプロセスになります。
これは理想論だと思う経営者もいるかもしれませんが、ファンとは実際にそういうものです。
安定して売り上げのあるサロンの売上構造の5割以上はリピーターからなっています。
サロンの関係者が動かなくても、そのサロンのファンが宣伝してくれるのです。
ネットなどの口コミほど、今の世の中重要視されているものは他にありません。
もちろん悪い噂は良い噂よりもあっという間に広がっていくので、その点には注意が必要です。
しかし、一生懸命ファンを作ろうと努力しているサロンであれば、そう言った悪い噂も起こりにくいと言えます。
3.新規顧客の集客/新規→リピーターに繋げる
何といってもリピーターを作ることは大切です。
リピーターは安定した売り上げ確保に繋がります。
来店周期を把握することができれば、必然的に売り上げの平準化を図ることができます。
最近のサロンは、始めていく場合であっても予約を入れなければいけないことが多くなっています。
これは、施術スタッフを確保しておくということもありますが、サロン側から見れば、少しでも売り上げを平準化させようという意思があるのです。
新規顧客をうまく取り込む事が出来れば、後はリピーターに繋げるステップに移ります。
そのサロンのファンになってもらえれば、多少のサロン側の無理もクレームなしで聞いてもらえる様になります。
リピーターはサロンにとって非常に強い味方になってくれるのです。
そのサロンの売り上げの7割を占めているのはそのお店のファンだと言われています。
(人数では7割以上が新規顧客かもしれませんが、売上金額では客単価の高いリピータで7割を占めるのが理想です。)
新規顧客にかかるコストはリピーターの約20倍だと言われていますから、効率よく利益を上げるためにも、リピーターを確保することは大切なのです。
つまり、ファンの増加と維持、新規の集客、また来たくなるような仕掛け作りが大切なのです。
4.無料媒体による集客/WEBやSNSなどをフルに活用する
最近のサロンにとって重要なアイテムとも言うべきWebサイトとSNS。
この両方を効率よく活用することで、営業活動を効率よく行うことができます。
時間は限られているので、いかに効率よく行動するかがポイントです。
この2つのツールで発信するものは、一言で表現するなら特別感・限定感です。
あなただけに用意しているサプライズ、と思わせるようなサービスを表現することが大切です。
特別感・限定感に含まれるものには、何名様限定という人数に関するものがあります。
例えばこれは、通常価格はこれだけですが、先着何名様の予約に限り、と言ったものがそれに当たります。
次に数量(何個)や期間限定というものです。
例えばネイルサロンであれば、このデザインに使うストーン、なかなか入荷しないストーンを何個限定で他のデザインにもお使いいただけます、と言った感じのものです。
そして、重要になるのは、ダラダラとそのキャンペーンを行うのではなく、一定期間を設けてその希少価値を上げる点です。
この時の期間は、単純に、何月何日の何時から何時まで限定、といった表現やレディースデー、曜日限定などがそれに当たります。
そして最後は、条件をつけると言ったものです。
例えばこれは、美容院においては、オーガニックカラーの施術をされた方には、当店限定のスペシャルトリートメントが無料、ネイルサロンであれば最新デザインをご希望いただいた方には、ネイルトリートメントが無料、など何か購入したらおまけが付きますと言った感じです。
これも、実際どちらにしようか迷っている方には、一方に決めるための動機づけにもなるので非常に効果的です。
これらの特別感・限定感をアピールする行為は、商品自体の価値を上げる効果もあるので、日頃は簡単にそれを体験できないんだと言った印象を顧客にアピールすることができます。
この希少性をアピールすることが出来れば、実際にそれを体験したお客様の体験談を配信することも重要です。以前までであれば顔写真を載せてコメントを掲載すればそれでいい、と言ったものでしたが、最近は違って来ています。
その体験談自体がいつのものなのか、と言った点も重要視されているのです。
もしそれが、今現在の情報であるとすれば、その情報を見た人が、次は自分がそれを体験しに行こう、と思うかもしれません。
そう思ってもらえるかが重要なのです。
情報発信の際に欠かせないのはキャッチコピーです。
キャッチコピーなんて考えられない、そんなのセンスの問題、と思ってしまうかもしれません。
しかし、そんなにハードルは高くありません。
例えば、ネイルサロンの業界で流行っているもの、美容業界で今流行っているものを紹介するだけです。
それも誰が見ても目を惹く形で紹介する一言で紹介する、と言ったものです。
その方法の1つが「今、美容業界を震撼させている話題の施術」や、「多くのほとが悩んでいる〇〇を一気に解決」と言った表現です。
今話題のものは、極端に言えばサロン業界などで流行っていなくてもいいのです。
週刊誌などに掲載されているような、誰でも知っている内容に便乗して今の話題を作ってしまうのです。
また、お悩み系のキャッチフレーズは、その悩みを持っているのは、1人だけではないと言う事を知ってもらって安心感を与えるという効果もあります。
誰にでも、人に相談できない悩みはあります。その種類は千差万別ですが、誰にでもありそうなあるあるを、悩みとして取り上げてキャッチフレーズにしてしまうのです。
これも注目度が上がるものになります。
そして最後にオファーです。これだけのキャチフレーズや希少性をアピールしたら、後はこれを目にしたお客様に、「よし、行ってみよう」と思えるような背中を押す行為が必要です。
これは、単純に「はじめてご利用いただく方限定」と、特典をアピールすることが挙げられます。提供しようとしているものに自信があるからこそできるのがこの特典です。
多くの人に知ってもらいたいから、あえて採算を度外視して紹介しています、といったアピールになります。読み手であるお客様もそう言った点には十分注目し、判断材料とします。
それだけ自信があるなら試してみよう、そう背中を押すことができるのです。
5.サロンの売り上げアップに効果的なものとは
では実際に何が効果的なのか、一番効果があるのかと言えば、これらの方法を小さな改善でもいいので、まずは実践してみると言ったことが挙げられます。
まず初めて見て、その後、効果分析をしながら次の手を考えて行く、そう言った状況に合わせた方法を見つけ出し、絶えず変化させて行くことが重要です。