もしあなたが、美容サロンをこれから開業しようと思った時、
もしくは経営中に資金に困ったときには、どうにかして資金調達を行わなければなりません。
資金調達に失敗してしまうと、上手く経営を行っていくことはできません。
当然のことながら、そんな時に資金調達を最短で行えたら、とても助かりますよね。
今回は、開業や運営資金を早期に調達したい、そんな方のための「借入」の知識と方法についてまとめていきます。
目次
1.資金調達を行う方法とは？
まず、資金調達を行う方法について知っておかなければなりません。
資金調達を行う方法に「株主資本（の増資）」と「借入」があります。
株主資本とは、平たく言いますと、自分たちの企業に出資をしてもらった資本金と企業が生み出した利益でお金を得る方法のことです。
別の言い方をすると、企業にとっての「純資産」や「自己資本」とも呼ばれます。
特定の誰かからお金を借りているわけではないので、返済の必要がありません。
しかし、既に店舗展開をされている美容サロンの会社の場合は別ですが、多くのこれから独立・開業をされるサロン様にとっては資本金を今から準備するケースが多いと思います。
また、既に店舗経営をされている場合も、設備投資など自己資本比率が低いことでお悩みの経営者様も多いでしょう。
そこで、ここでは美容サロンにとっての「借入」について詳しく紹介していきます。
2.借入とは？
特定の人物、あるいは企業・銀行から資金を借り入れる方法のことです。
経営とは関係のない人物や企業から借り入れるため「他人資本」と呼ばれます。
企業にとっての「借金」に当たるため、当然返済の必要があります。
返済のリスクはあるものの、多くの人物や企業に借入をすることで、多くの資金を調達できる可能性が高いです。
また、多くの金融機関が存在しますので、どこから借入を行い、融資をしてもらうのかが重要になってきます。
代表的な借入先としては「銀行」「日本政策金融公庫」「信用保証協会」などになります。
2-1.借入のメリット
借入のメリットは、簡単に言うと、株主資本の増資や投資家からの投資よりも、資金調達を行おうと思った時に、すぐに資金調達ができるようになります。
借入を行っている場合でも、「手元の資金」「預金」が多くあればあるほど、資金調達を簡単に行うことができます。
また、私たち企業にとって大事な「資本金」を使わずに利益を生み出していくことができます。
借入を行った場合には、返済のリスクは発生しますが、企業の資金を使って経営を行わなくて済みます。
資本を残したまま、利益を出し続けることが出来れば、安全な経営を行っていけます。
また、借入を行えば経営に使用できる予算が増えることになるため、経営戦略の幅が広がることとなります。
効果的な経営を行っていくことで、返済金額より多い利益を得られる可能性が高いです。
2-2.借入のデメリット
借入の際、皆さんが頭を悩ませるポイント、それは、最初の借入は通りにくくなっていることでしょう。
これは経営難に陥った場合になりますが、これまでに借入経験がない状態で借入を行おうとした場合、最初の審査が非常に通りにくくなっています。
そのため、どれだけ経営に自信があったとしても、少しの金額でもいいので借入を行っておいた方が良い場合も多いと言えます。
一度借入を行い、返済経験がある場合には、次回以降の借入が通りやすくなってきます。
金融機関に借入をしたいと思われるタイミングは、大抵は今から新規開業をする資金が必要か、経営中に運用資金に困った場合だと思います。
新規開業の際は別として、数ヶ月でも経営をしているサロンが資金繰りに困った際に、初めて借入をするとなると尚更、金融機関は渋い顔をしてしまうのが現状です。
また、借入の場合、返済リスクが付いてくることも、もちろんデメリットです。
借方や借入をする際の金利、金融機関にもよりますが、借入の返済スパンは5年〜10年のケースが想定されます。
その間、毎月返済は発生します。
ひと月でも経営難となり、黒字を出すことが厳しくなってきた際にも、返済をしなければならないので、より経営は苦しくなってきます。
しかし、二回目以降の借入に関しては、審査が通りやすくなっているので、開業当初から借入を有効活用することをオススメします。
3.借入をする金融機関とそれぞれの特徴
それでは具体的にどんな借入先があり、どこから借入をするのが良いのでしょうか？
また金融機関ごとにどのような特徴があるのでしょうか？
3-1.銀行
美容サロンに限らず、銀行からの借入を利用する企業がほとんどです。
しかし、銀行は開業したばかりの企業、もしくはこれから開業する企業に対して融資を行ってくれることは少ないです。
銀行から借入をする場合には、企業としての業績を証明できる書類がないと審査が通らないからです。
また、起業して３年以上の経営実績が無いと、真っ向から借入をお願いしても話を聞いてもらえない、と思ったほうが良いでしょう。
そのため、ある程度の期間を進めてからでないと、銀行から借入を行うことができません。
開業する時の資金調達先としては、選択肢に入りにくいと言えるでしょう。
しかし、上手く経営を行い企業として確実に成長している最中であれば、銀行からの融資はそれなりに難易度も高くないと言えます。
経営を行って期間が経ってからであれば、銀行は有力で優良な借入候補となるでしょう。
この場合も、1点注意が必要なのが、銀行から借入をできた際にも希望通りの金額を借りれるかは別です。
借入金額の増額でお悩みの方は、借入の際の事業計画書にもコツがありますので、こちらの記事をご覧ください。
3-2.日本政策金融公庫
銀行とは違い、国政系の金融機関となります。
100％政府出資の政策金融機関で、銀行からの資金調達が難しい個人事業主に対して、積極的に融資を行っており、これから開業をする美容師やネイリストにって、大変、“心強い存在”です
これから発展していく企業の支援をメインに行っているため、借入を行いやすいことがメリットです。
さらに、「無担保」「無保証」であることが重要なポイントです。
借入を行う時には、担保や保証人を用意できなければ融資を受けることは難しいです。
どちらも用意する必要がないということは、時間と手間が掛からないということになります。
また、金利が安いところも嬉しいポイントとなります。
基本的に金利が変動することはありませんので、経営が厳しくなってきたとしても、返済する金額に違いはありません。
借入期間も長期的なスパンに設定できるため、経営が安定するまで安い金利で返済を続けられます。
そのため、開業する際や開業したての企業にとっては、これほど便利な借入先はありません。
3-3.信用保証協会
信用保証協会は制度融資とも呼ばれていて、地方自治体と信用保証協会が企業の支援のために行っている借入です。
地方自治体の条件によって違うため、審査が通るかは出してみないとわかりません。
自治体の窓口→申込→自治体の紹介状→金融機関に申込→審査→信用保証の申込→信用保証協会の審査→信用保証協会の申込→信用保証協会の審査→融資
多くの団体を通して手続きをしていかなければなりませんので、時間と手間が掛かってしまいます。
さらに、信用保証協会の融資を受けるためには、ある程度の業績を持った企業でなければなりません。
そのため、企業としての業績を残してからでないと、借入を行うことができません。
どの借入先であっても、融資を受けることは可能ですが、様々な条件が必要になってきます。
独立をするために、開業資金を必要としているなら一番のおすすめは日本政策金融公庫となるでしょう。
担保や保証人を用意する必要もありませんし、実際に多くの美容サロンでは、日本政策金融公庫を利用して融資を受けている企業は多いです。
さらに金利が低く長期的なスパンで返済を行っていけるため、まだまだ経営が上手く行っていない企業や、これから開業する企業であっても融資を受けやすくなっています。
また、融資を受けようか悩んでいる企業であっても、日本政策金融公庫に相談に行くだけでも、融資のポイントをまとめてくれるので大きな利点となります。
4.すぐに資金調達をしたいなら、日本政策金融公庫がおすすめ！
借入の場合には、短期間で資金調達を行えるようになります。
その中でも、日本政策金融公庫が最もおすすめです。
業績や経営期間に関わらず、どんな企業でも融資を受けやすいことがメリットとなりますし、返済プランについても計画を立てやすくなります。
開業したばかりの企業であれば、経営プランをたてていても、上手くいくかどうかはわかりません。
返済に頭を悩まされてしまっては、経営に身が入りにくくなってしまいます。
更に美容系のサロンの中でも美容院やエステサロンを経営する場合には、開業資金が膨大な金額になってしまうことも多いです。
設備を整える必要がありますし、固定費用であったり、従業員の給与であったりとコストはかなり掛かってしまいます。
初期投資だけでも大きなコストとなりますが、毎月の固定費用も大きいので、経営が上手く行くまでは維持するためのコストが高くなります。
もちろん借入ばかりを利用して、返済だらけの自転車操業になってしまう可能性はありますので、借入だけを使う必要はありません。
しかし、短期間で資金調達を行いたい場合には、借入を利用していくことが大事です。
少額の借入なら知人に頼むことで、即日に行っていくことも可能です。
しかし、知人に頼む場合には、トラブルが起こりやすくなってしまう事も考えなければなりません。
もちろん並行して、銀行・国民政策金融公庫・信用保証協会などの借入を申請することが大事です。
これらの審査が通り、融資を受けられる状態になったら、すぐに知人に返済を行いましょう。
5.借入以外ですぐに資金調達を行う方法！
実は、借入以外でも資金調達を行う方法があります。
「売掛金」「前払い金」「資産の売却」が資金調達を行う3つの方法となってきます。
それではどの様にして、資金調達を行っていくのでしょうか？
5-1.売掛金
売掛金には入金しなければならない期限がありますが、契約先と交渉を行うことで通常よりも早く、売掛金を支払ってもらえることがあります。
契約を交わしている企業との関係性にもよりますが、経営難に陥っている場合には、こちらも選択肢の一つとなるでしょう。
売掛金の催促を上手く行うことで、即日でも資金を調達することが可能となります。
5-2.前払い金
私たち企業が、商品やサービスを顧客に提供する時に、前払い金を設けることで、すぐに資金調達を行うことが可能です。
もちろん前払い金を設ける場合は、お客様との交渉や前払いにする理由付け次第と言えるでしょう。
前払い金によって顧客離れを起こしてしまうリスクが考えられますが、即日で資金調達を行うなら、前払い金制度を取り入れた方が良いでしょう。
5-3.資産の売却
企業にとって利用価値のない資産であるならば、売却を行っていくことも資金調達の方法となります。
今後の経営方向において、利用することがない資産の場合には、所有していても利益を生んでくれることはありません。
さらに、この方法で資金調達を行う場合には、リスクと呼べるものが少ないです。
経営方針を固めた上で利用する資産を売却するのはオススメできませんが、不要な資産は売却した方がよいでしょう。
5-4.各種助成金
上記のような借入や資産の売却とは全く異なりますが、美容サロンの経営を行う上で利用できる助成金もあります。
人材雇用や創業時の際のみなど、目的は限られますが、場合によっては、これらの助成金をうまく活用することで他から調達すべき資金額を調整することもできるでしょう。
6.まとめ
いかがでしたか？
すぐに資金調達を行っていく場合には、「借入」「売掛金」「前払い金」「資産の売却」を組み合わせていくことが大切です。
借入を行う際には、日本政策金融公庫を利用すればすぐに融資を受けやすくなっています。
さらに、経営が上手く行っていれば業績もできあがることになるので、銀行や地方制度で借入を行うことも可能でしょう。
また、借入以外でも資金調達をすぐに行う方法はあります。
売掛金や前払い金、不要な資産の売却を行い、上手に資金調達を行っていくことがポイントです。
それぞれのメリット・デメリットについて考えた上で、適切な資金調達の方法を選ぶことが重要となります。
どんな企業であっても、資金調達は経営者にとって、常に悩みとなる問題です。
美容サロンにとって、大切な開業・運用の資金を調達するために、これらの方法を参考にして、良い経営を行っていきましょう。
