こんにちは!資金調達系のコンテンツを担当している佐藤です。
突然ですが金利って何なのか正しく説明できますか?会社を経営していると銀行から融資や借入を受けることも多く、その度に「金利●%」という話を受け、「お、安いな」「あ〜高いなぁ」と一喜一憂をすることがありますが、「金利●%で返済期間●年だと、実際に支払う総額の金利がいくらなのか」しっかりとシュミレーションを立てられる経営者は少ないと思います。
まずは銀行の金利について正しく知り、損をしない融資を受けられるようにしましょう!
目次
1, 金利とは?
金利とは、貸付を受けた金額に対して発生する利息のことです。
通常、融資は銀行など金融機関から受けますがもちろん金融機関も無料でお金を貸してくれるわけではありません。お金を貸すことに対しての手数料のようなイメージが金利、というものであり、●%という表記で表されます。簡単に例えるなら、友人に1,000円貸してよ〜と頼まれた時に、いいけど1,200円で返してよ!という約束をしたら、この200円が金利分にあたります。
簡単じゃん!と思うかもしれませんが、実は金利の算定方法は一筋縄ではいきません。
金融機関から1,000万円を金利2%で借りたとしたら、1,000万円の2%だから1,020万円で返せばいいかというと実はそうではないんです。それは、「返済期間」と「返済方法」によって金利の総額が大きく変わります。
1-1, 元利均等返済
返済方法の1つとしてあげられるのが、「元利均等返済」という方法です。
元利均等返済とは、毎月の返済額を均等な一定の額で返済していくという方法です。ここでは詳細は控えますが、元利均等返済の方が税制面でメリットが大きい場合があります。
1-1-1, 元利均等返済のシュミレーション
2,000万円の融資を、金利2.0%で、返済期間7年で「元利均等返済」で借入をした場合、
返済の総額は、21,449,286円となります。つまり、金利として1,449,286円を支払うことになります。
1-2, 元金均等返済
もう1つの返済方法は「元金均等返済」という方法です。
元金均等返済とは、毎月返済する元本の返済額を一定にするという方法です。元本の返済が進むにつれて、利息が減っていくため、最初のうちはちょっと多めの返済額になります。元金均等返済は元利均等返済に比べて返済の総額が小さくなることが多々有ります。
1-2-1, 元金均等返済のシュミレーション
2,000万円の融資を、金利2.0%で、返済期間7年で「元金均等返済」で借入をした場合、
返済の総額は、21,416,668円となります。つまり、金利として1,416,668円を支払うことになります。
比べてみるとわかるように、返済方法が違うだけで支払う金利は約3万円ほど変わります。たかが3万円と思うかもしれませんが、融資の額が大きくなり、返済期間も長くなると、両者の差はもっと大きくなりますので注意が必要です。
2, 金利を低く抑えるコツ
上記のシュミレーションで用いた「金利2%」という数字は決して高すぎるものではありませんし、事業を始めたばかりの経営者が金利2% で銀行から借入を出来るかといえばほぼ不可能です。そんな低金利であっても総額150万円ほどの金利を払わないといけないのです。つまり金利は0.1%でも安く借りられるように銀行側と交渉をしないといけませんし、それで何十万も何百万も変わるのであれば、時間をかけてでも有利な交渉に持ち込めるような素材を集めるべきです。
金利をなるべく低く抑えるにはいろいろな方法があります。
単純に売上と利益を上げることももちろんですが、それ以外にも出来ることはたくさんありますので、今のあなたの会社が取れる手段は全て取るようにしましょう。
2-1, 格付けを上げる
低金利で銀行から借り入れをするにあたって最も大切なことは格付けを上げることです。
格付けとはその企業の決算書の内容をもとに決められる企業としてのランクであり、ランクが低いとそもそも融資が受けられないという事態が発生します。格付けの際に重要視されている項目は2点です。
1点目は「経常利益/税引き前当期純利益」と言った会社の利益に対する項目です。
融資を受けた後は会社の利益が返済原資になるので、その利益がちゃんと会社に残る経営をできているのかという点は一番重要視されます。
2点目は、「自己資本比率」です。
自己資本比率とはその名の通り、会社の資本(資金)の中に借り入れなどではなく自らの資本がどれくらいあるかという比率です。自己資本比率は高いほど格付けにプラスの影響があります。結局のところ、基本的には稼げて利益の出ている会社ほど自己資本比率は高まりますので利益が大切です。
主にこの2つを見ながら格付けは決まり、それに応じて融資限度額と金利が決まります。
格付けは決算書の数字に基づきますので、決算期から逆算をして格付けを意識していくことが必須となります。
詳しくはこちらで解説をしております!
2-2, 事業計画書/資金繰り表を用意する
個人的な感想としては、銀行が取るリスクが大きければ大きいほど金利も上がると思っています。そのため、銀行の融資担当者には「この会社はちゃんと返済をできる会社だ」と思ってもらわないことには金利を下げられません。そのために必要なのが前述の決算書ですが、会社の未来を伝える上で大切なのが事業計画書と資金繰り表です。
過去を伝えるのが「決算書」
未来を伝えるのが「事業計画書」です!
事業計画書の作り方に関しては、単純な売上と支出という項目ではなく、どの事業や事業所から売上が発生するのか、どの項目に対していくらの支出をするのか、という点を明確にしていく必要があります。
資金繰り表に関しては事業計画書とは別物です。
事業計画書は月ごとの売上と支出をまとめたものですが、その売上がその月に入金されるとは限りませんし、支出も翌月になるケースも多いとおもいます。そのため、事業計画書の数字と実際に手元で動く数字にはズレが生じます。それを明らかにしていくのが資金繰り表です。いくら利益が出ていても手元に現金がなければ返済の原資にはならないため、銀行としてはお金の実際の流れに関しても確認したいわけです。
2-3, 融資以外の部分で銀行と取引をする
融資から生まれる金利は銀行にとって大きな利益となりますが、それ以外にも振り込み手数料や銀行系カードなど、銀行の利益になるものは多種あります。銀行側としてはもちろん、利益を出してくれる取引先を大事にしたいと思いますので、会社のメインバンクを、融資をお願いする銀行にしたり、社員の給与口座も統一をするなどして、銀行との付き合い方も工夫することが大切です。
金融機関とはお互いにメリットがあるような形でお付き合いをできるように心がけましょう。
3, 金利についてまとめ
銀行からの借り入れをする際の金利についてご理解いただけたでしょうか?
返済の方法には2種類あり、それに伴って金利の総額も大きく変わります。
また、格付けを上げることや事業計画書を入念に作りこむことでも金利を抑えることができます。たった数パーセントとはいえ長い返済期間で見ると大きな金額になりますので、少しでも低金利で借り入れをできるようにしましょう。