当社は1店舗目のサロン開業後9ヶ月で3店舗を運営しています。
向こう4か月でもう2店舗オープンが控えており、あと4年で50店舗まで増やす多店舗展開の計画を進めている最中です。最近では、美容室、ネイルサロン、アイラッシュなど業種を問わず、他の美容サロンさんから多店舗展開の相談をいただく機会も増えてきました。

美容業界の多店舗展開に関して、当社が考えていることをお伝えしたいと思います。

1, 多店舗展開のメリット

多店舗展開にはたくさんのメリットがあります。

1店舗では出来なかったことが2.3店舗あることによって出来るようになることも多く、スタッフの満足度も向上させることができます。ここではメリットを5点あげたいと思います。

1-1, 売上と利益の拡大

当然ながら売上と利益は拡大する可能性が非常に大きいです。

美容室、ネイルサロン、マツエクなど、一般的な美容サロンは月の営業利益が50万円から100万円くらいのところが多いと思いますが、2店舗あれば2倍に、3店舗あれば3倍になる可能性が十分にあります。一方で経営者側にかかる労力は2倍、3倍となるわけではないので、オーナーの労働時間に対して得られる利益は効率が良くなります。

1-2, 多くのお客様に喜んでいただける

人気が出てきて予約が取りにくくなったために多店舗展開を考えるケースもあります。当社のサロンも1店舗の予約がいっぱいになっていまい、近くの駅に2店舗目をオープンした経験があります。お客様から「いつも予約が取れなくて行けなかったから2店舗目が出来てすごく嬉しい!」という言葉をいただいた時にはすごく嬉しく思いました。

1-3, スタッフの労働環境の改善

実はスタッフの労働環境は改善します。当サロンでは、結婚をして早く帰らないといけない女性スタッフは夜の営業時間が短いサロンで働いてもらうなど、店舗が複数あることによって、店舗ごとの営業時間や休みを変えることができるため、スタッフが求める環境を提供しやすくなります。また、近場に複数店舗を構えることにより、シフトも柔軟に作成することができるようになります。

美容業界はどこをとっても、人材不足で悩んでいると思います。
多店舗展開が人材面にいい影響を及ぼすケースは実は多数あるんです。

1-4, マーケティングの幅が広がる

値引きをしてみよう!リピーター様にプレゼントの企画をやってみよう!などなど、マーケティングの施策は多岐に渡りますが、1店舗でやるとどうしても失敗が怖くなります。まずは小さなお店で実験をしてみて、成功したら本店でもやってみよう!など、チャレンジできるマーケティングの幅が広がります。

1-5, 仕入れなどが割安になる

仕入れも安くなるケースが多いです。

多店舗展開をすると、その分仕入れる原材料が増えるため、メーカーや卸元が優遇をしてもらえるようになります。当社の場合ですと、1店舗目から2店舗目に増えた際に、原材料を更に5%オフで仕入れさせてもらえることになりました。

2, 多店舗展開のデメリット

多くのメリットがある一方でもちろんデメリットも多く存在します。

2-1, 固定費が増える

家賃やホットペッパービューティーの費用も2倍、3倍となります。

もちろん売上と利益も上がるわけですが、固定費が増えるということはその分、経営上のリスクが増えるということにもなります。ただ、これに関しては1店舗目を開業する時と同じリスクですので、多店舗展開によって新たに生まれるリスクではありません。

2-2, スタッフの管理が難しくなる

スタッフの数も増えるため、全員に目が行き届かなくなります。

スタッフに頑張って働いてもらうためには、しっかりとコミュニケーションを取っていくことが不可欠です。今までは毎日のように話をしていたスタッフとコミュニケーションが減ることで、「見てくれなくなった…」と感じてしまうスタッフや、「2店舗目にばかり目がいって、あまりこのお店のことを気にしてくれない」と思ってしまうスタッフも出てしまいます。

2-3, 売上など経理上の管理が難しくなる

同時に数字の管理もかなり大変になります。

今までは、売上や再来率、ホットペッパービューティのページ別PVもしっかり分析をし、適切な対策を取れていたとしても、2店舗3店舗とお店が増えるうちに管理が難しくなります。そうすると、1つ1つの店舗に対して入れられる力が薄くなってしまい、肝心の1店舗目の売上が下がってしまうようなケースに発展することもあります。

3, デメリットを解決するためには

当社ももちろん、上記のデメリットや悩みにぶつかりその都度解決をしながら、ハイペースで多店舗展開を進めてきました。解決するために色々と考え実行をし、上手くいったものもあればそうでなかったものもありますが、全て解決することが可能です!その代表例となった3つをご紹介します。

3-1, 店長とマネージャーの役割を固める

2店舗目までは、オーナーがスタッフや数字の管理をし、オーナー兼マネージャーというような立ち位置でもやっていけると思いますが、3店舗〜5店舗の状態においては、店長とは別にマネージャーという役職を設け、役割分担をしっかりすることが大切です。

店長が複数店舗のマネージャーを兼務すると、スタッフとコミュニケーションが薄くなったり、各店舗の管理と分析が甘くなります。店長はあくまで「そのお店の管理をする人」、マネージャーは「全体を統括する人(店長達を統括する人)」という役割分担をすることで、1店舗1店舗が薄くなるというデメリットを防ぎ、全体の管理もできるようになります。

3-2, 就業規則を見直し、固める

1店舗の場合、スタッフの数が少ないので、大切なのは「1人1人に最適な働き方」であり、多店舗展開の場合はスタッフの数も多くなるので、「全員に最適な働き方」を考えることが大切です。また、スタッフの数が増えると、労働のトラブル(残業、有給休暇、シフトのルール)も多くなるため、「就業規則」を作成し、雇用する側もされる側もどちらにも不利益が出ないようにすることが大切です。当サロンも3店舗目を開業する前に、就業規則の見直しを行いました。

3-2, 教育の仕組みを作る

スタッフが多くなると、皆それぞれ技術のスキルも違うし、接客方法も違います。
個性があることは素晴らしいことなのですが、基本となる部分に関しては美容サロンとしての「教育制度」として教えてあげることが大切です。

当社では、
・新入社員向けのスタッフ研修
→基本的な技術と接客を学ぶ

・店長研修
→店長として求められる役割や仕事を学ぶ

という2つの教育制度を設けて、底上げをしています。

4, どんな人やサロンが多店舗展開に向いているか

ここまでメリットと、デメリットをご説明しました。当社としては多店舗展開はアリ!だと思っていますし、だからこそ当社も店舗展開をしていますが、やはり向き不向きもあると思いますので、どんな方やサロンが多店舗展開に向いているか、リストアップしました!

□やっぱり、売上と利益をもっと大きくしたい!
□有名なサロンになりたい!
□たくさんのスタッフと和気あいあいと仕事をしたい!
□オーナー、経営者として大きなことを成し遂げたい!
□たくさんのお客様に自分のサロンのことを知ってもらいたい!

これらが3つ以上あてはまる方は是非トライしてみてもいいかと思います!
多店舗展開は大変ではありますが、デメリットは解決する方法があり、当社はそれを実践してきました。もし不安なことがあればいつでもご相談にのりますので、お気軽にご連絡くださいね。

5, まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は実体験を踏まえながら、美容室、アイラッシュサロン、ネイルサロンなど美容業界の多店舗展開のリアルについてお届けしました。