こんにちは!サロン経営style book代表の佐藤です!

みなさんのサロンの経営状態はどうですか?しっかり黒字が出ていて儲かっているサロンもあれば、毎月ギリギリの収益で苦しんでいらっしゃるサロンさんも多いかと思います。その両者の違いは実はこんなところにありました…!

今回は複数店舗を経営している視点からサロン経営を黒字化させるコツについてお伝えします!

1, 開業前から勝負は決まっている!?

黒字が出せるサロンかそうでないサロンかは、開業の段階で60%ほど決まってしまうと思います。立地の選択によりお客様の数にも大きな違いが出ますし、毎月の支出の中でも家賃は非常に大きな項目になるためです。黒字化をする上で開業前に気をつけないといけないポイントをお伝えします。

1-1, 立地の選択は大切

どこの立地にサロンを開業するかは収益にとって非常に大きなポイントです。

まず一番大切なのは最寄駅の選定。駅を利用すれ人が多ければ多いほど来店していただけるお客様の層も厚いということになります。その目安となるのが乗降客数(その駅を利用する人の数)です。乗降客数は各路線のホームページに記載がありますので是非確認をしてみてください。個人的には大きい駅であればあるほどいいと思いますが、その分競合となるサロンも多いはずです。そのため、考え方としては、

・駅の大きさを調べる

・Hotpepper Beautyでその駅のエリアを検索

・どんなお店が人気なのか調べる(口コミが多い=売れているお店だと思ってOKです。)

・そのお店の価格帯やメニューと自分が開業しようとしているサロンを比べてどうなのか分析する。

今成功しているサロンに対して、価格やサービスが負けていないのであれば、集客ができる見込みがありますし、もし負けているようであれば次の他のエリアを探していくというような形で物件を探していけば、開業前から黒字化が狙いやすいサロン経営ができるはずです。

立地が8割?美容サロン開業における-立地選択8つのポイント立地が8割?美容サロン開業における-立地選択8つのポイント

1-2, 家賃の相場を見誤らない

家賃の相場はご存知ですか?

基本的に美容室やネイルサロン、マツエクサロンの場合、「3〜4日分の売上」が家賃の目安です。つまり家賃30万円の物件に開業をするのであれば、1日の売上が8万円〜10万円ほどは見込めないと黒字経営が厳しくなります。1日10万円売りあげるというのは、1席や2席のサロンでは不可能なため、30万円の物件の広さの中に3~5席くらいの施術面を取れるかどうか考える必要が出てくるわけです。

美容サロンの場合、売上は施術可能な面(=スタッフの数)で決まります。

単純に物件が安い/高いで決めずに、この広さと間取りであればどれだけのスタッフが働けるのか考えることで黒字経営につながります。逆にここを間違えてしまうと赤字まっしぐらです。

1-3, 開業資金はいくらかかるか

開業資金は非常にお金がかかるところです…

しかしここで資金を使いすぎてしまうと、何年たっても利益で初期費用を回収できず、苦しい経営状態に陥ってしまいます。ざっくりとしたイメージですが、4席ほどの施術可能面を設けるとすると、各業態でかかる開業資金は次の通りです。

・美容室→700~1,000万円
・ネイルサロン→300万〜500万
・マツエクサロン→300万〜500万
・エステサロン→200万〜400万
*内装費や備品代だけではなく、物件取得のための保証金や礼金を含みます。

正直に申し上げて、良かったとしても毎月の黒字額は美容室で120万ほど、その他のサロンで60万ほどです。上記以上の開業資金をかけてしまうと、1年かけても投資回収ができないため、なるべく節約をしていくことが必須です。

_ネイルサロンの開業に資金はいくら必要?-実際にかかった資金を公開

2, 毎月安定した黒字を出すために必要なこと

毎月安定をした黒字を出して経営を続けるためには様々な企業努力が必要となります。
その中でもサロン経営において大事な部分をご紹介します。

2-1, スタッフの数を一定数キープする

前章でもお話ししましたが、スタッフの数と売上は比例します。

スタッフの数により売上は比例して上がりますが、家賃は毎月一定ですし、広告宣伝費もHotpepper Beautyが基本的に年間契約である以上、毎月の支出はあまり変化がありません。

つまり、スタッフの人数によって下記のように利益構造が異なるのです。

家賃30万円、Hotpepper Beauty掲載費用25万円のケースを例にとります。

>スタッフ2名のケース
・スタッフ1名の売上50万円/人件費25万円=利益25万円×2名=利益50万円

スタッフ2名で利益は50万円出ていますが、家賃とHotpepperに合わせて55万円支払っているので、利益50万—支出55万円=5万円の赤字…となってしまいます。

一方でスタッフが4名いたらどうでしょうか?

>スタッフ4名のケース
・スタッフ1名の売上50万円/人件費25万円=利益25万円×4名=利益100万円

スタッフ2名で利益は50万円出ていますが、家賃とHotpepperに合わせて55万円支払っているので、利益100万—支出55万円=45万円の黒字となります。

サロン経営の場合、スタッフが何人いようが、売上がどれだけ上がろうが、支出が大きく変化しないところがミソです。つまり施術可能面を増やして、スタッフの数をキープできればそれだけで一気に利益構造は回復し、黒字に転じる可能性が高くなります。

人件費がその分かかるでしょ?という質問もあるかと思いますが、美容サロンは原価がほぼかからないため、人件費以上に儲けが出ることはほぼ間違いありません。

2-2, 広告宣伝費は売上の10%が目安

広告宣伝はとても大切です。昨今ではHotpepper Beautyに依存する集客をしているサロンもたくさんあるかと思います。もちろんそれはそれでいいのですが、無料で使えるSNS関連もうまく使いましょう。特にインスタグラムに関しては美容サロンとの相性がバッチリです。当社の経営しているサロンでもインスタの運用をスタートして、数ヶ月でフォロワー4,000名ほどになりましたが、インスタ経由でお問い合わせをいただくことも増えてきています。単純にホットペッパーだけに依存するのではなく、SNSや他の媒体を上手にミックスしていくことで広告費用の圧縮が可能です。

集客を狙える!美容サロンに効果的なインスタグラムとは?

しっかりと黒字で運営していくにあたっては、売上の10%ほどの広告費に抑えることが肝心だと思います。その後リピーターさんが増えてきたら6~7%ほどまで広告費を下げられると思いますので、数値の目安にしてください。

2-3, 諸経費を少しずつ節約する

電話代やインターネット代金なども少額ではありますが節約できる可能性が十分にある項目です。節約することによって生まれる利益では毎月数千円ほどではありますが、1年2年と長く運営をするとそれなりの金額になりますので、開業前の段階から見積もりを取り、安いところと契約をするべきだと思います。

2-4, 店販にも力を入れよう

スタッフの数によって売上が決まってしまうというお話をしましたが、それを打破する可能性があるのが店販です!美容室やネイルサロンの場合、施術にかかる時間でメニューの金額設定をしているケースが多いと思いますが、施術後にレジで代金をお支払いいただくタイミングで、お店で売っている商品を1,000円でも2,000円でも購入いただけるとその分客単価も高くなり、単純に利益も増えて黒字化を達成しやすくなります。そういう商品の利益率は約50%ほどだと思いますので、売上の半分がそのまま利益として残る計算になります。とはいえ、現場のスタッフは商品を売ることに慣れていない人が多いと思いますので、販売のマニュアルを作成するなどして、簡単に販売が出来るような仕組みを整えてあげることが大切です。

2-5, 数字の管理を徹底しよう

・新規顧客と既存顧客の比率は何%ですか?
・既存顧客様の来店頻度とサイクルはどれくらいですか?
・新規顧客と既存顧客の客単価はそれぞれいくらですか?
・原材料費は何にいくらをどの頻度で支出していますか?
・粗利益はいくらで、何%ですか?
・人件費の比率はどれくらいですか?
・営業利益と税引き後当期純利益はいくらですか?

これらの質問に正しい数値で答えられますか?

サロン経営を黒字化させるためにはまず自分のお店の数字を把握することから始まります。健康診断をして病気を見つけてはじめて治療ができるようにまずはどこに問題点があるのか数字を管理して発見をしましょう。

2-6, 【番外編】助成金の利用

普段の経営を黒字化するという点とは少しずれますが、助成金を利用するとサロンとして残せるお金が増えます。特にスタッフをたくさん採用しているサロンの場合、キャリアアップ助成金の正社員化コースというものを申請すれば無料で1人あたり60万円〜120万円ほどの助成金を得ることができます。年度で15名まで申請が可能なため、うまく利用すると年で1,800万円ほどの資金を調達することができるかもしれません。無料でしかも返済も不要な資金ですので、必ず申し込むことをお勧めします。

【最新】理美容室、サロン必見!-すぐに使える助成金で経営安定化!

 

3, 黒字経営ができたらその次は?

いざ安定した黒字経営が達成できると、会社には多くのお金が残ることになります。

会社のお金は残すことも大事ですが、事業を成長させ、さらに利益を生み出すためにも投資を行っていかないといけません。

最終章では、残すお金と投資するお金のバランスに関して解説をします。

3-1, 手元に残しておくべき資金はいくら?

サロン経営とは色々とリスクもあることです。

何かあった時のために手元に残しておくお金も大切ですが、その目安は3ヶ月分の売上と言われています。月の売上が300万円ほどのサロンであれば900万円ほどを常に現金として持っておけば、会社が倒産するリスクをかなり軽減ができます。

3-2, スタッフに還元する

サロン経営はスタッフありきですから、儲かった利益はスタッフにも還元しましょう。

あらかじめ残った利益の●%をスタッフに還元するというような決まりを作ってしまった方が経営として管理がしやすいですし、スタッフのモチベーションにもつながります。

3-3, 店舗展開をする

店舗展開もオススメです。1店舗を安定した黒字化ができたということはそのビジネスモデルを他のお店で展開することも十分に可能なはずです。2店舗あれば2倍の黒字が生まれる可能性がありますので、1店舗で留まらずに積極的な店舗展開ができるとさらに経営上安定していきます。

4, まとめ

いかがでしたでしょうか?

サロン経営を黒字化するノウハウについてご案内しました。

まずは開業前の段階から事業計画をしっかりと練り上げ、開業後はスタッフの採用と教育をしっかりとしていくことが黒字化への近道です。より良いサロン運営をしていきましょう!