起業に関してのセミナーは毎日のようにどこかで開催されています。

私も起業して2年弱。今では会社の売上も数億の規模まで来ました。そんな自分は起業前に一度もセミナーに参加したことはありませんでした。セミナーに参加しなかったからよかったこと、逆に参加すればよかったと思うこと様々あります。今回はそんな経験も踏まえて、起業のセミナーについてまとめました。

1, 起業セミナーって?

起業セミナーとは色々な種類がありますが、その多くはこれから起業をしようとする人の背中を押したり、サポートをする目的のものが多いです。都内や地方大都市で開催されるものが圧倒的に数を占めますが、最近ではオンラインで受講することの出来るものも増えており、受けやすくなっています。

2, 起業セミナーの種類

起業セミナーには様々な種類があるため、自分に合ったもの、必要なものを取捨選択しないことにはただの時間とお金の無駄になってしまいます。余談ですがこれから起業をし、経営者になるのですから「自分の時間のコスト意識」は徹底した方がいいです。自分の1時間でいくらの利益を生み出せるのか、この会議に使ってる時間の意義は何なのか、など頭の中でイメージを持って行動するようにしましょう。「時間」は「命」なので、誰に会うかも大事ですが、誰に会わないかも大事ですし、何の話を聞くか考えるのも大事ですが、何の話を聞かないか考えるのも大切です。

2-1, 実際の経営者の講演を聞くタイプ

実際に会社を経営し上手くいっている方の講演を聞くパターンのセミナーも多いです。

このパターンの場合、一回数万円の参加費が掛かることも少なくありません。その分、学ぶことは多いですし、すでに先を行っている先輩の経験を疑似体験出来ることはかなり貴重だと思います。また最後には質疑応答のコーナーがあることも多いので、自分の悩みや相談をそのままぶつけられることが何よりもメリットではないでしょうか?

起業をしてからになりますが、私はカルビーの会長が登壇されるセミナーに伺ったことがあります。売上を増収しつつ、且つ営業利益も回復させるその手腕を勉強させてもらい感銘を受けたのをよく覚えています。

2-2, VCや投資家が主催するタイプ

次にVC(ベンチャーキャピタル)や投資家が主催するタイプの起業セミナーです。これはどちらかというと、主催者サイドが優秀な起業家を発掘するために行っているケースが多いように思います。今は起業家よりも投資家が多いと言われている時代で、特にweb関連の事業で投資を受けることはそこまで難しくないので、今後web周りで起業を考えている方は一度参加してみるといいかもしれません。そこでうまくマッチングすれば投資を受けられるだけでなく、経営面でのサポートも手厚く受けられます。

2-3, 経営に必要なファイナンスを学ぶタイプ

経営にはファイナンスが必ず必要です。会計や税務面はサラリーマンだと一切と言っていいほど学べず、ここが不安なために独立を躊躇される方もいらっしゃいます。ファイナンスのセミナーは起業をする上で最低限の会計の知識を教えてくれるだけでなく、実際に会社を登記する際に必要な手続きや、税制上メリットが多いような手続きを教えてくれます。

私は、一切会計関連を学ばずに独立をして、その2ヶ月後くらいに「あ、これ会計作業必要なんだ…」と気付いたくらいの人間でした…

最低限の知識は持っておくに越したことはないので、独立を決意されている方は必ずセミナーに行った方がいいと思います。

2-4, 行政が主催する起業支援制度を学ぶタイプ

あまり知られていませんが、日本には起業・独立を支援する様々な制度があります。

その代表的なものが助成金です。起業時の条件を満たせば数百万円の助成金が国からもらえるため非常に起業がしやすくなります。このような制度を効率的に利用してもらうために、行政が開催をしている起業セミナーもありますので、ぜひ参加してみてください。

会社の創業や経営に便利な助成金の詳細はこちらをご覧ください。
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2-5, 業界に特化した起業を学ぶタイプ

飲食店なら飲食店業界、コンサル業ならコンサル業界など、各種業界に特化した起業の仕方や、経営のノウハウを学ぶセミナーもあります。これに参加するメリットとして一番大きいのはその業界の方との繋がりが出来ることだと思います。弊社も同じ業界での横のつながりを大切にしています。同じ業界というのは競合になるからあまり意味がないと思いがちですが、それよりもノウハウや経営資源の共有などでメリットを産んでくれることが多いように感じています。

2-6, 性別など起業家の属性に合ったセミナーのタイプ

「女性」「学生」「40歳以上」など、これから起業をしようとする人の属性に合わせたセミナーも最近では増えてきているように思います。女性向けの起業セミナーの場合には、女性が会社のトップに立つ時に気をつけなければならないこと、育児や家事との両立などを学ぶことができると思いますし、40歳以上の括りのセミナーでは家庭との両立や、いかにリスクを減らしながら起業をするのかが学べると思います。

3, セミナーに出るメリット

独立前にセミナーに参加したことのない私ですが、セミナーに参加することのメリットも確かに多いことは理解しています。ここでは私が思う代表的なメリットを3つ挙げさせていただきます。

3-1, 経験者から学べること

第一に経験者から学べることが最大のメリットです。

独立、起業というのは先の見えない大海原に漕ぎだすようなイメージがあると思います。ですが必ず先駆者がいます。先輩の経営者は失敗も成功も重ねてきて、それを自らの糧にしています。その経験を丸ごと学べることは、自分が今後失敗するリスクを減らしてくれると思いますし、無駄なことに割く時間も削減できます。

3-2, 人脈が広がること

セミナーには数多くの方が参加しています。

今後自分の事業のお客さんになってくれる人もいれば、サポートしてくれる方も潜在的に必ずいます。また、経営者という職業はすごく孤独です。同じ時期に独立をした同年代の友人が周りにいると、同じ目線で相談ができますし、刺激にもなりますので、そう言った人脈作りもセミナーに参加するメリットだと思います。

ちなみに、私にも同年代で同じくらいの時期に創業をした経営者仲間が3.4人いますが、周りの人に話せない赤裸々なトークや、お互いの事業について話すことで毎度刺激をもらっています。

3-3, 普段得られない知識が突発的に入ってくる

普段から情報収集をしたり、本を読んだりして勉強している方でも、どうしても学ぶ範囲は自分の興味のある範囲に狭まってしまうことが多いかと思います。一方でセミナーでは、普段思いつかないようなアイディアやお話が急に飛び込んでくることが多いため、自分の知見が広がることがあると思います。

4, セミナーに出るデメリット

セミナーに参加することはもちろんメリットばかりではありません。

セミナーに参加することが目的になってしまっているセミナーマニアのような人にならないためにも下記3点に気をつけて下さい。

4-1, 時間と費用

セミナーは時間もかかりますし、費用もかかります。費用に関しては1日10万円ほどのものも珍しくはありません。また、前述もしましたが、経営者たるもの自分の時間にはシビアになるべきです。セミナーに参加する数時間で何を学べたのか(極論それがいくらになって自分の会社に返ってくるのか。セミナーの行きと帰りで2時間弱、セミナーの時間が3時間で計5時間を使っていれば、あなたの時給×5時間の価値は最低必要ですよね)その価値があるのかないのか、そのセミナーで学んだことを活かせるのか、その感覚を持ってください。

4-2, 流されないこと

結局最後にやるのは自分です。セミナーで学んだことが全てではないし、その人にはその人にあった起業と経営の仕方が存在します。学んだことはそのまま実行するのではなく、自分ごとに一度落としてみてから、自分の経営判断をすることが大切です。

4-3, セミナーに参加することの目的化

起業セミナーに行くのであれば、「●月●日に起業をする!そのために今の会社には退職日も伝えてある!」くらいのキメを持って参加しない限り、セミナーに行ったはいいけどうやむやになり、ただ時間が無駄になるようなケースが多いです。自分ごとにして、具体的なイメージを持って参加しない限りは身につくものも身につかないと思います。

5, オススメのセミナーや経営者

いろいろとメリットやデメリットをまとめましたが、個人的に話を聞いてみるべき経営者やセミナーをご案内したいと思います。ここで紹介する経営者さんの講演があれば是非行ってみてください。

5-1, セミナー編

東京商工会議所が主催する創業支援セミナー

https://www.tokyo-cci.or.jp/entre/

5-2, 経営者編

かなり個人的な好き嫌いが出てしまっておりますが、私が会社を経営してきた上でよく勉強をさせていただいた方は下記の3名です。ありがとうございます。

・日本駐車場開発株式会社 代表取締役 巽一久さん

→売上もさることながら、利益も確実に担保されていて、「勝てる市場で勝つ」という市場の見極め方が非常に勉強になりました。

・株式会社ビィ・フォアード 代表取締役 山川 博功さん

→アフリカの市場に中古車販売をしている会社。事業展開もさることながらスタッフへの教育の仕組みや、コミュニケーションの取り方が非常に勉強になりました。

・RIZAP株式会社 代表取締役 瀬戸 健さん

→みなさんご存知のRIZAPですが、その前身となる事業での経験が非常に参考になりました。一気に数百億の事業に育てるも、すぐに売上は1/10になり、そこで取った施策やRIZAPが生まれるまでの逸話は聞いて損はないです。

6, まとめ

結局は自分で始めてみることです。

そのためにセミナーが存在することを忘れずに。ご自身の起業・独立の助けになるようなセミナーを選んでくださいね。