近年増えてきているのが、自宅の一角をネイルサロンにする「自宅ネイルサロン」という開業の方法です。
ネイリストの方達の最終的な目標に「自宅でネイルサロンを開業したい!」「独立するなら、自宅をネイルサロンにしたい!」という話をよく聞きます。
ネイリストは女性が多い職業なので、結婚後家事や育児を行いながら大好きなネイルを自宅で開業したいという方がとても多いです。
そんな目標が叶えられるよう、これまでサロン開業に携わってきた経験から自宅ネイルサロンを開業させる方法を紹介していきます。
1, 自宅サロンってどんなサロン?
自宅でネイルサロンを行うって、これまでネイルサロンに勤めているとイメージがわかないですよね。
では自宅ネイルサロンとはどんなところなのかお伝えします。
1-1, メリット
・通勤しなくていい
・お客様がいない時間は家事や育児が可能
・お客様との距離が近いのでリピーターになってもらいやすい
・通常の店舗より開業費用が安い
通勤時間がなくなること、空いた時間を有効に使えるということが一番大きいメリットではないでしょうか。往復の通勤時間がなくなることは非常に大きいですよね。
大型店舗では行えないきめ細かいサービスや、一人一人に合わせた施術が行えるのでお客様の満足度も高くリピーターになってもらえる確率が高いです。
1-2, デメリット
・知らない人を家にあげる
・匂い(ジェルはあまり臭わないですが、スカルプチャーは匂いが残りますよね)
・自宅が職場になるのでオンとオフが作りにくい
・テレビの音や話し声などは家族にも気をつけてもらわないといけない
知らない人を自分の家に入れるということは不安もありますよね。
在宅で仕事をするので、仕事とプライベートの区切りが曖昧になるので、ダラダラしないようにしっかりとモチベーションを管理しないといけません。
テレビの音や話声などが聞こえると生活感を感じてがっかりしてしまいますよね。
そのようにならないよう、お客様がいる時間が同居する家族に配慮してもらうことが必要になってきます。
2, 自宅ネイルサロン開業の方法
自宅ネイルサロンを開業していくにあたって、まず必要なことをお話ししていきます。法人としてネイルサロンを開業させる時と、個人で開業させる時には異なることがありますが、今回は個人でネイルサロンを開業するということでお話ししますね。
2-1, 資金
自宅で開業するので、新たに賃料や保証金は発生しませんが、施術を行うテーブルや椅子、サロンらしい内装、材料や道具一式は必要になってきます。
では開業にあたって何にいくらくらいかかるのかです。
内装費 | 20万円 | 施術テーブルや椅子、雑貨やパーテンションの費用 |
材料費 | 30万円 | ジェルやパーツ、ライトなど材料や施術道具を揃える費用 |
広告費 | 20万円 | どんなメニュー、価格、デザインを行なっているか広告を出す費用 |
印刷費 | 3万円 | ショップカードや名刺の印刷費用 |
その他備品購入費 | 15万円 | パソコンやプリンター、タオル、ペーパー等の購入費用 |
自宅サロンなら初期費用は最低100万円くらいで始めることが可能です。
通常の店舗型のネイルサロンですと最低500万円くらいは必要になるので、費用面からみても開業しやすいです。
「独立はしたいけど費用面を考えると厳しいなぁ」という方でも、自宅サロン開業ならハードルが下がるのではないでしょうか。
2-2, 届出
自宅でサロンを始めても、開業したという扱いになります。
ですので、これからは個人事業主ということで税金を納めて行かないといけません。
まず、税務署で開業届けを出します。
開業届とは個人事業を始めたことを税務署に申告するための書類で、正式名称は「個人事業の開廃業届出書」と言います。個人事業主になると、事業から生じた利益に対しては所得税が課され、事業規模が大きい場合は個人事業税も課税されます。
この開業届けを出さずに開業する方もいるようですが、もし事業を行なっていることがバレてしまった場合追徴課税や悪質な場合は逮捕ということもあります。
そんなことにならないように、開業する時点で開業届けを出しましょう。
準備するもの
それでは実際に自宅サロンを開業しようとした時に、準備しないといけないことを紹介していきます。
内装
お客様はネイルサロンという感覚で来店してくれています。ですので、生活感むき出しの部屋ではがっかりしてしまいます。生活感のある部分はパーテンションやカーテンを使用し見えないようにして、サロンらしい小物や備品を揃えましょう。
理想は玄関から近い部屋を使用し、玄関から部屋に移動する間に他の部屋が見えない、お手洗いも近いという部屋を使用することがおすすめです。
材料
施術に必要なライトやジェル、パーツ等を揃えると少なくても30万円くらい予算として用意しましょう。
色々なお客様がいらっしゃるので、生活環境に合うカラーを用意するとカラージェルは60色くらいは必要になってきます。
その他にもにもジェルを硬化するライトや道具、パーツなどを購入していきます。
電話
お客様からご予約を頂いたり、ご予約の変更等の連絡に電話は必ず必要です。
また、自宅サロンでよくありがちなのが、携帯の番号しかなく携帯番号を広告やHPに掲載しているサロンさんです。見ず知らずの携帯番号に電話をするのって、抵抗がありますよね?
携帯の番号しか掲載していないと、せっかくのお客様を逃していますので固定電話の電話番号を用意することをお勧めします。
ホームページ
どんなお店なのか、メニュー内容、価格や店舗の連絡先を発信する場所が必要です。
インスタやフェイスブック等のSNSの利用ももちろん必要ですが、不思議なことにホームページがあるとお店の信用が増します。
SNSに比べ情報量が多いので、お客様が求めている情報を伝えやすいです。
最近はセルフネイラーの方も増え、プロのネイリストの方に技術を教えて欲しいという声も多いです。通常の広告では、施術以外のことを掲載できないことが多いのでスクールとしても生徒さんを集めたいというかたは、ホームページは必須になります。
デザインサンプル
カラーのチャートやデザインのサンプル作りが必要です。
カラーチャートは全ての色、デザインは最低30体あることが理想です。
5個の中から1つを選ぶより、10個の中から選んだ方が楽しいですよね?もちろん徐々に増やしていきますが、お客様はデザインのサンプルを見ることも好きなので、サンプルが多いということで満足度が上がります。
まとめ
独立時はもちろんですが結婚や出産で働く時間に制限がある場合、自宅ネイルサロンの開業という選択肢は自分の時間を有効に使用でき、なおかつ好きなことを仕事にできるといういい所が沢山あります。
自宅サロンでしたら費用も準備も控えめに始めることができるので、今まで培ってきた技術を活かしサロン開業を成功させましょう。