フランチャイズやFCという言葉を耳にすることも多いかと思います。言葉の意味があまりわからない方も多いはずです。

しかし、フランチャイズをうまく利用すると開業や独立のリスクを軽減させることができます。その一方で特有のデメリットもありますので、よく検討をすることが大切です。

1, フランチャイズって何?

フランチャイズ(FC)とは、経営のノウハウや知名度を持つ本部の会社(フランチャイザー)から、その経営手段や看板を借りて加盟店(フランチャイジー)として営業を行うビジネス形態のことです。代表的な例としてコンビニが挙げられます。例えばセブンイレブンは本社が全ての店舗を直営で経営をしているわけではなく、各店舗にオーナーがいます。そのオーナーはセブンの知名度や商品、物流網を使って商売をしています。そのかわりにオーナーはロイヤリティとして本部にお金を支払うことで両者の関係が成り立っています。

1-1, フランチャイズの形態は伸びているのか

フランチャイズの形態は伸びていますし、規模もかなり大きいです。

日本フランチャイズチェーン協会の発表によると、

①2016 年度の日本国内のフランチャイズチェーン数は 1,335 チェーンを数え、+0.5%(6 チェーン増)と7年連続の増加となった。
②国内の総店舗数(直営店と加盟店の合計)は 26 万 3,109 店舗で、+0.8%(2,117 店舗増)となり、8年連続の増加となった。
③売上高は25兆 974億円、+2.0%(5,029 億円増)と、7年連続のプラス成長となった。

http://www.jfa-fc.or.jp/particle/29.html

このように、不景気と言われている昨今においても、昨年よりも伸びています。

最近ですと、ラーメンの幸楽苑グループが、いきなりステーキのフランチャイズを始めるというニュースが報じられました。本部のビジネスモデルが優秀だと加盟店が得られるメリットも大きいため、大企業同士でもフランチャイズのやり取りをしています。

1-2, 代表的なフランチャイズ

代表的なフランチャイズはやはりコンビニです。コンビニはFC化がしやすく、売上の予測を立てるのも比較的容易なため、選ばれやすいフランチャイズと言えます。

その次に外食産業、いわゆる飲食店です。飲食店は知名度で人を呼ぶことができるため、本部が持つ看板を掲げられることは開業をする上で非常に大きなメリットです。特に特に入れるものですから、よく分からない新規のお店よりも名が知れていてしっかりしてそうなイメージのあるお店を選びたいのはユーザーの心理です。

2, なぜFCを選ぶのか、メリットは何?

なぜフランチャイズの開業を選ぶ方が多いのでしょうか?
フランチャイズとして経営をする主なメリットを3点紹介します。

2-1, 経営のノウハウを享受できる

一人で一から開業をするとなると、経営のノウハウがなく失敗するリスクや売上が立つまでに長い期間がかかってしまうことが普通だと思います。その点、フランチャイズの場合にはすでにある経営のノウハウを教えてもらえるため、失敗するリスクを軽減できます。出店する立地や内装、メニュー、集客、接客のマニュアルなどを全てノウハウとして本部には溜まっているため、それを有効活用し、お店を成功に導くことができます。

後述しますが、本部は加盟店の売上にロイヤリティを課す仕組みのため、加盟店の売上を伸ばすことが本部に取ってもメリットになるため、積極的に売上アップのサポートをしてくれるでしょう。つまり、未経験でも安心して開業をすることができます。

2-2, 手厚いサポートが受けられる

売上を上げるためのノウハウはもちろんの事、お客様からのクレーム対応や、会計周りなど、開業当初ではなかなか手薄になりがちな面もサポートをしてくれます。スタッフの教育や採用の仕方なども最初はうまくいかないことだらけですので、全面的なサポートを得られることは非常にありがたいことです。

2-3, 知名度を使える

例えばコンビニのような小売のお店を自分で開くのと、「セブンイレブン」といういう看板を掲げられるのとでは集客効果に雲泥の差が生まれます。特に飲食店では「そのチェーン店を探している」お客様も多いため、知名度を使って集客をできることは大きな強みです。個人的にはフランチャイズの一番の魅力はここだと思います。

3, FCはいい事だらけなの?デメリットは何?

メリットを見ていると、フランチャイズはいい事しかないような気がしてきます。ですが、世の中にはフランチャイズに頼らず開業をする方も多くいらっしゃるようにそれ相応のデメリットも存在します。

3-1, ロイヤリティ

一番のデメリットはロイヤリティでしょう。ロイヤリティとは加盟店手数料のようなもので、

「売上を分配する」「粗利を分配する」「固定額」という3種類の課金形態で手数料が発生します。特に売上にかかる場合には要注意です。例えば売上が月300万円、原材料費や人件費、家賃などの出費で270万円がかかったとすると、純利益は30万円です。ここでロイヤリティが売上に15%がかかるとすると、45万円引かれてしまうため、一気に赤字となります。しかし、売上に対して手数料がかかるケースが多いのも実情です。そのため経費の管理はしっかりとしなくてはいけません。

とはいえ、FCにすることによる集客メリットもあるため、完全に独立をするとそれ相応の広告宣伝費もかかりますから、その費用と天秤にかけて考える必要があります。

3-2, 自由度の低さ

お店の内装や、メニューなどは基本的に本部から指定を受けるため自分のやりたいように自由に設計をすることはできません。あくまで決められた範囲内で、本部に許可も取りながら進めていくことになるため、お店の独自性を出すことは無理だと思った方がいいでしょう。

3-3, 損害賠償のリスク

知名度を借りられるということは、自分もその看板を背負うことになります。

不祥事を起こしたり、お客様に迷惑をかけてしまった場合、通常であれば自分たちのお店の分の損害を賄えばいいですが、フランチャイズの場合にはブランドそのものに傷をつけたとみなされ大きな損害賠償に発展するケースもあるかもしれません。

3-4, 辞めた後に同業での経営ができなくなる

フランチャイズでノウハウをためていずれは自分のお店を!という方は要注意。

フランチャイズの場合、経営のノウハウを本部から加盟店に与えるため、そのノウハウを持って独立をされてしまうと本部にとっては財産が流出するのと同じです。そのため、最初の契約段階においてFC脱退後に同業で事業をスタートすることを禁止していたり、開業をしてはいけないエリアを決定されたりすることが通常です。

フランチャイズで経験をためてから…と考えている方には思わぬ足かせになるかもしれないので、契約の前段階での確認を怠らないようにしてください。

4, 各業界におけるフランチャイズ例

フランチャイズの仕組みやメリットデメリットがわかったところで、次は各業界でどのようなフランチャイズがあるのかをお伝えします。ロイヤリティの割合や契約形態などは様々です。

4-1, 美容サロンのフランチャイズ

・アースヘアーサロン

全国に約200店舗を展開する有名なヘアサロンEARTHもフランチャイズを募集しています。アースの場合は通常のフランチャイズ募集ではなく、サロンで働きながらステップアップをして最終的にはフランチャイズ店のオーナーになれるという制度を設けています。

スキルを磨きつつ、経営を学び、最終的にはオーナーになれるというのは非常に魅力的な制度だと思います。

https://www.fc-hikaku.net/earthhair_fc

・ラポールヘア

シニア向けの美容に特化するラポールヘアさんもフランチャイズ加盟店を募集しています。

ラポールヘアさんの場合は、キッズスペースを設けて女性に働きやすい環境を作ったり、研修が充実しているなど、フランチャイズオーナーに優しい仕組みが多いように思います。

ロイヤリティは想定月商は240万円ほど、売上の4%がロイヤリティとなるようです。

https://www.fc-hikaku.net/rapporthair_fc

4-2, 飲食店のフランチャイズ

・ラーメン花月

コラボ商品でも有名なラーメン花月でもフランチャイズを募集しています。

このFCの面白いところは既存で売上が立っているお店をフランチャイズオーナーに引き継ぐという制度があることです。売上も利益も見えているため安心してスタートすることが可能です。ロイヤリティは売上の5%です。

https://www.fc-hikaku.net/globeat_fc

4-3, コンビニエンスストアのフランチャイズ

・ローソン

コンビニ大手のローソンでは、フランチャイズオーナーに転居費用や住居費用を出すサポートがあるなど、新規のFCに力を入れています。大手だからこそスーパーバイザーが各店舗につき、経営を細かくサポートしてくれることで安心して開業ができそうです。

https://www.fc-hikaku.net/lawson_fc/special

・セブンイレブン

セブンイレブンは、一店舗あたりの1日の売上、1日の来店者数、お客様単価、この全てで業界No.1です。フランチャイズのメリットはやはり知名度ですから、業界のNo.1の下で加盟店になることは大きなメリットになるでしょう。

https://www.fc-hikaku.net/seveneleven_fc/special

5, まとめ

フランチャイズについて理解が深まったでしょうか?
うまく利用すれば独立・開業のリスクが減り、成功の可能性を上げてくれます。

自分にあった開業の仕方をぜひ探してみてください。