ネイルや美容師の勉強をして、実務経験も積みやっと自分で開業しようと決意したその時、
店舗型でオープンする際はもちろん、個人で独立した場合も、
一人でできることには限界があるので、誰かを雇って一緒に仕事をしたいと思う人は多いはずです。
実際に、一日あたり一人で接客できる人数には限りがあります。
それなりに生活ができる売り上げを挙げたいと思うのであれば、
やはり誰かを雇って一緒に仕事をしないといけない段階がくることが多いのが現状です。
ここでは、開業の際に必要なポイントのおさらいと、
美容サロンにおける人材の雇用の際の注意点についてお伝えしていきます。
目次
1.サロンの開業の前に
サロンを開業するときに必要になるものは、サロンを開業する場所、開業当初は改装費用も必要ですし、材料も一から揃えなければいけません。
意外と初期投資のような部分が経費には多いことが分かります。
では、実際にどのような準備が、サロンの開業には必要なのでしょうか。
1-1.開業のための知識と技術の習得、接客の技を身に着けること
当然のことですが、ネイルや美容師として、施術に対する知識や資格は必要です。
それに加えて、接客の話術や毎年変わるネイルの流行に追いつくためにも、技術を習得しておかなければいけません。
経験を積み、どのようなことが必要になるのかを開業前に習得しておく必要があります。
通常、ネイルサロンを開業したいと思う人は、まず専門学校でその技術と資格を取得し、どこかのサロンで経験を積んで、技術と話術を身に着けています。
また、その間にネイルの材料を調達する業者とも接点が生まれてきます。
話術などの接客トークにおいても、実際にその仕事をしながらでなければ、身に着けることはできませんし、レベルアップもできません。
ですから未経験で開業するよりも、ある程度実地の経験を積んだ方が、独立開業する際にも役立つことが分かります。
1-2.まずは一人でできる規模を検討してみる
どのような事業の場合でもそうですが、ネイルサロンの場合は特に、まずは一人でできること、つまり一人で開業できる範囲で始めることがポイントになります。
小さく始めて大きくするのが理想的な経営方法です。
例えば、店舗が多いチェーン店のようなネイルサロンであっても、一店舗に配置している人数はそれほど多くありません。
つまりネイルサロンのような業種であれば、一人で始められる規模から開業することが望ましいことが分かります。
人を多く雇えばそれだけ人件費がかかります。
売り上げの見通しが立たないようであれば、初めから人員を多く抱えることは望ましくありません。
1-3.売り上げ目標を立ててみる
売り上げの目標を立ててみることは大切です。
実際にその売り上げを達成するためには、どのくらいの経費が掛かるのかを、同時に把握することができるからです。経費の計算は簡単で、主に必ず必要になる家賃や光熱費、ネイルの材料がそれに当たります。
もし、初めからある程度の売り上げが見込まれ、人を雇わなければいけないような場合であれば、そこに人件費が加わります。
それくらいの売り上げ規模を目指して開業するかは、その人によって違いますが、ネイルサロンとして独立を考えている多くの場合は、初めは堅実に、多くの売り上げ目標を掲げていないことが分かります。
2.開業に必要な手続きは何?
改行に必要な手続きは、税務面では開業届がまず必要になります。
また、どこか場所を借りる場合は、賃貸契約書を交わす手続きが必要になります。
更に、開業に関する創業資金を借り入れようとしている場合であれば、その申し込みも必要な手続きとして含まれてきます。
自己資金の範囲内で行うというのであれば、開業届程度で手続きは完了することになります。
手続きとまではいきませんが、どのような場所にネイルサロンを開業するのか、その場所をリサーチしなければいけないでしょう。
このように、一人で開業するにしても、予想外にしなければいけないことが多い、ということができます。
また、もし誰かを雇って開業する場合は、その求人広告を出さなければいけない場合もありますし、
ハローワークで募集する際にもやはり手続きが必要です。
2-1.誰かを雇うと決めた時、必要な社会保険の手続きは?
開業当初から、ある程度の売り上げが見込めるといった場合、一人ではその売り上げをキープできないことがあります。
ご存知の通り、ネイルサロンやまつげエクステなどは、一人当たりの施術時間が意外とかかるのが特徴です。
飲食店のように、個々にかかる時間が違うわけではありません。
そういった中で、考えられるのが機会損失です。
もちろんそういったことを予防するために、予約制にすることも考えるでしょう。
そのような対策を講じたとしても、もし機会損失をしてしまってはもったいないので、そのような時は、誰かを雇うことを考えるのが自然な流れです。
その時に問題になるのが社会保険についてです。
誰かを雇用するといった場合は必ずこの疑問はついて回りますが、個人事業主として経営し、人を雇った場合でも、社会保険への加入義務は発生するのでしょうか。
2-2.個人事業主でも社会保険への加入は絶対?
個人事業主は、社会保険の加入が絶対というわけではありません。
ネイルサロンを事業主本人もしくはプラス1名程度で開業する場合であれば、加入義務は発生しません。
もし事業主を除いて5名以上で開業する場合であれば、加入しなければいけなくなるのですが、美容院やネイルサロンのようなサービス業の場合は、その限りではありません。
個人事業主として運営している間は、社会保険に加入しなくても問題はありません。
また、社会保険の費用も初めはかなりの負担になる場合が多いので、経営コンサルタントでもあまり進めていない方もいるという実態があります。
2-3.従業員が5人以下でも社会保険には加入できる?
従業員が5人以下でも、社会保険に加入することは可能です。
その場合は、従業員の許可を受けて申請をする必要があります。
社会保険となると、国民健康保険や国民年金のように自分で納付するのではなく、個人事業主が自ら給与より徴収して、事業主負担分をプラスして納付する必要が出てきます。
ただし、この場合、個人事業主本人は社会保険に加入ができません。
従業員が加入できるから自分も加入できるというわけではないので、そこは注意が必要です。
3.まとめ
ネイルサロンを開業するには、ネイルに対する知識のほかに、経営に関する知識も個人事業主として必要になってくることが分かります。
経営については事業を行っていく以上必要な知識です。
全く知らないといった状態で始めることはできませんし、また、売り上げから経費を予測し、どのくらいの利益が残るのか、そして現金はどのくらい残るのかという見当もしなければ、経営者として事業を行っていくことはできません。
ネイルサロンで独立開業したいと思う女性は多くいますが、誰でもすぐにというわけにはいかないということも理解できます。
小さく始めるという意味では、自宅の一部を改装して始める人も中にはいます。
しかし、しっかりと仕事として行いたい、将来的には法人化を目指したいと思っているのであれば、やはり初めから自宅と切り離して開業する方が理想的でしょう。
一言でサロンを開業したいといっても、考えなければいけないこと、検討しなければいけないことは多くあるのです。
少しでもいいネイルサロンを作り上げるためには、下積みと下準備が必要なのです。