美容サロンの経営をするにあたり、切っても切れない永遠の課題として、新規顧客の集客という問題があります。

美容室だけではなく、マツエクサロン、エステサロン、ネイルサロンなど、美容系のサロンは様々ですが、どの業種にもお客様を呼び込むというのは悩みの種でもあります。

よく、私たちの運営するサロンにも、「WEB集客にお困りではありませんか?」とか「ホットペッパービューティよりも安く集客しませんか?」等の営業の電話があるのですが、これにはもう、うんざりですよね……。

しかし、競合よりも多くの選択肢を持って、対策をしていかないと、お店にお客様はやってきません

今回の記事は、時代によって少しずつ変わりつつある、集客プロモーションの最新トレンドをまとめていきます。

1.そもそも美容サロンの集客の種類とは?

そもそも、美容室などの美容サロンの集客はどのような種類があるのでしょうか。
国内の美容サロンの集客方法として3つのタイプをご紹介します。

1-1.看板でのリーズナブル推しでの集客

駅前低単価チェーンの看板による集客方法です。
これらのサロンは駅前に「カット1,000円」など、大きい看板を出し、看板自体が集客ツールになっています。
今でも業界1位の「阪南理美容」などはこの形態で最初に大きくなった例として有名です。
現在では、QBハウスの方が知られている方も多いと思いますが、実はかなり以前からあったビジネスモデルであると言えます。

1-2.フライヤーによるリアル集客

次に「大型路面FC(フランチャイズ)店」に見られた集客方法です。

美容院で言うと、「EARTH(アース)」や「Ash(アッシュ)」、ネイルサロンでは「ネイルクイック」などがこの代表例で、2,000年代に店舗数が一気に拡大したサロンが行っていた方法です。

このような大型フランチャイズのサロンが拡大した要因は、「路面での大型店舗」×「フライヤーの大量配布」と言われています。

EARTHやASHといったサロンでは、都心から離れたエリアに「おしゃれな大型店舗を出店」といった戦略も挙げられます。

そして、オープンの日には駅前をスタッフでジャックし、数千枚配布し集客するという方法です。

更に、この2社の経営方針は画期的で、「成功した美容室の経営権を店長に譲る」という方法で、急激に拡大しました。

しかし、この集客方法にも難しくなってきました。
現在のネット集客時代の到来です。

1-3.WEBを活用した集客方法

2007年、ホットペッパービューティーが登場し、ネットでの集客が一般化しました。
その後、ホットペッパービューティーやSNS・ブログやHPを利用した集客が一般化していき、
ネットに対応していない従来型のサロン集客では顧客を呼べないサロンがどんどん倒産していきました。
また、ネットの影響で、「路面店」という優位性は消え去り、地代の安い、空中階のテナント店舗が拡大しています。
WEB集客が一般化した現在では、地代の削減のため、大型路面店展開していたサロンは今では移転を繰り返し、路面店で集客するという従来の美容サロンの一般的なビジネスモデルが変わってきたと言えます。

2.現在のベストな美容サロンの集客とは?

それでは、現在のベストな集客方法とは、一体何なのでしょうか。

サロンの席数や立地条件などにもよりますが、どのような選択肢があるかと特徴を把握し、戦略的に組み合わせることが重要です。

ここでは、現在の美容サロンが使える集客方法をまとめてみました。

2-1.自社で広告を打つ

ホットペッパービューティーが登場し、自社での広告は打たないサロンも最近では多いのでは無いでしょうか。

ホットペッパービューティーに毎月50万円以上払っているのに、自店舗のHPが無いサロンもいらっしゃいますが、実は、自社で広告を打つのも集客に有効なこともあります。

では、自社での広告方法をリアルとネットに分けて見ていきましょう。

2-1-1.フライヤーの配布で集客する

店舗のチラシやビラを駅前で配布する方法です。

この方法は、ネットで調べたり、予約をする文化が根付いていない「シニアや中高年」をターゲットにしているサロンでは今も有効です。

「タイムクーポン」として駅前でチラシ込みのティッシュやフライヤーを配布しているのを目にしたことがある方も多いでしょう。

若い女性だと見向きもされないことも多いのですが、実は中高年男性などターゲットによっては効果的であるというデータもあるそうです。

また、何よりWEBやDMでの集客と異なり、その場〜近い時間帯での集客に繋がるのが魅力的です。

「今のご時世に泥臭い集客方法なので、やりたくない」「フライヤーは意味が無い」ではなく、工夫次第では顧客の獲得にも繋がると言えます。

2-1-2.折込チラシで集客する

引用:2015年国民生活時間調査の報告書(NHK放送文化研究所/2016年2月17日)

では、次に、折込チラシはどうなのでしょうか?

こちらのデータをご覧ください。

これはNHKが2016年に発表した年代別の新聞購読率の報告書になるのですが、言うまでもなく、30代以下の世代はほぼ新聞を購読していない=折り込みチラシでは若年層のお客様にリーチできないことが分かります。

ただし、購読率が高い50代以上の層を狙う、かつ地方のサロンであれば、折込チラシもありかもしれません。

2-1-3.ネット/ホームページ(HP)により、WEBで集客する

次に、自店舗のWEBサイトを持つことによる集客です。

HPでの集客は主に「SEO」経由での流入を獲得することが目的ですが、現在、どこの美容・予約ポータルサイトや広告媒体もSEOに力をいれています。

また、これらの美容ポータルサイトは、月に何千万円〜もGoogleやYahoo!などの検索サイトのリスティング広告に費用を投じ、圧倒的なPVを稼いでいます

そのため、個人の美容室や1店舗の美容サロンが検索サイトで上位を狙うのは非常に難しいのが現実です。

ただ、ホームページ自体は絶対に持つべきで、条件を満たし、コツを掴めば検索サイトからの集客も可能です。

それは、「エリア」や「技術面」で何かに特化している美容サロンの場合です。
ここでは2つ例を挙げていきます。

事例1.町田美容院の知恵袋
「ホットペッパービューティ」を使わず、WEB集客に成功した事例として有名になったサロン様のブログです。

「町田で表参道のクオリティを」をキャッチコピーに、美容師ならではの専門知識を活かした情報を掲載し続けたことで有名になり、リアルでも来店する方が絶えないサロンになった事例です。

事例2.美容院Lacisa
立川で唯一の毛質改善に特化したサロンとして、WEBサイトやブログでの情報発信に注力されています。コンプレックス解消系の施術のPRに特化し、髪 透ける」、「立川 白髪染め」などのワードで検索すると上位に表示されるサロン様です。

オーナーのInstagramでも、ヘアケア方法や分かりやすいヘアアレンジを配信し、フォロワーはなんと、17,500人を超えています

このような「エリア名×特化ワード」で自社の特徴を発信することができれば、SEOでも上位を狙うことが可能です。

それは、集客ポータルサイトも対策をできていない「特化ワード」「複合ワード」を狙いにいく方法 であるためです。

更に、PVを稼げると、類を見ないアピール方法であれば、他の媒体に特集を組んでもらえたり、SNSで拡散するなどの副次的なプロモーションも狙えます。

強みのあるサロン様は費用を投じて、自社HPには力を入れるべきであると言えるでしょう。

2-2.有料の集客広告媒体

次に、集客向けの広告媒体です。

一口に広告媒体と言っても、フリーペーパーへの紙面掲載、WEB予約ポータルへの掲載など紙とWEBもありますし、費用形態も様々です。

ここでは有料広告の種類別に特徴を挙げていきます。

2-2-1.紙の集客媒体について

紙媒体も、地方紙・ホットペッパービューティなど色々存在します。

高齢者の多い地方などでは未だに効果があるかもしれませんが、正直、都心だと集客効果は薄く、ここに経費をかけるのはかなり勿体無いです。

ただし、地方のサロンオーナーは紙媒体も無視してはいけないケースもあります。

地方紙の中には一定ファンを獲得しているものもあり、広告効果があるからです。

中には、未だにホットペッパービューティがシェアを奪えていない地方紙も存在しています。

そのため、「若年層」ターゲットではない地方や特化サロンの方は紙媒体も検討材料には入れたほうが良いでしょう。

2-2-2.ネットの集客媒体

次にネットの集客媒体ですが、ホットペッパービューティなどの美容ポータルサイトの掲載が挙げられます。

2015年にリクルートが発表した調査結果によると20代の約4割以上は、美容院の予約にネット予約を使っており、電話予約の場合もホットペッパービューティなどの予約・検索サイトを見て電話をしています。
今や、当たり前になったホットペッパービューティですが、実は、ホットペッパービューティの合わないサロン・合うサロンが存在しています。

例えば個人で経営をしていて、席数が2-3席のみのヘアサロンやネイルサロンがホットペッパービューティに高額プランで掲載したとして、材料費を考えると回収が出来ないことも多々あります。

ホットペッパービューティの場合、席数・集客数に問わず一定の広告費なので、席数が増えるに連れて粗利率は向上します。

つまり席数の少ないサロンは圧倒的に不利になります。

そのため、「席数の少ない個人美容サロン」は、ホットペッパービューティには向いていないと言えます。
(掲載はすべきですが、費用をかけるなら、次に挙げるブログやSNSに注力した方が良いケースもあります。)

2-3.ブログ・SNSでの集客

「ブログはやってみたけど、全然、集客につながらないので、やめてしまった。」
このようなお声を毎日いただいております。

実はブログはただ書きたいことを書いているだけでは全くアクセスも集まりませんし、アップの頻度・時間帯や提供すべき情報には押さえるべきポイントがあります。

(詳しいノウハウや個別のご相談もお受けしておりますので、ここについて気になられた方は是非、運営事務局にお問い合わせください。)

ブログは「集客」というよりも、情報発信によるリピータ様の定着など、お客さまとの信頼関係を高めるための効果が強い面があり、書いてみてもなかなか効果が見えづらいのも難点です。

ただし、前述したような「特化型サロン」では、ブログやSNSも集客ツールとして成功事例が存在します。